月刊警察2008.4月号

■一事不再理
ある刑事事件で確定した判決が出ている場合、その事件を重ねて審理できない原則をいう。公訴の提起があれば、免訴の判決が言い渡される。日本国憲法第39条では、「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。」と定められ、外国で判決が確定しても日本での公訴の提起は可能と解釈される。
「ロス疑惑」事件をめぐり、ロス市警は今年2月、殺人と共謀の容疑で三浦和義容疑者を逮捕。日本で無罪判決が出された2003年当時は、カリフォルニア州刑法により一事不再理の原則が外国の判決にも適用されたが、2004年の同州刑法改正によって、他州や外国の確定判決が出ている場合も公訴の提起が可能となった。三浦容疑者の弁護人は、一事不再理の適用が今後の争点になるとの見通しを示している。

■サイバーカスケード
カスケードとは「滝」のこと。ウェブに書き込まれた一個人の意見が、同調者が集まることで主流化し、攻撃的な集団行動を引き起こすというインターネット上の現象を指す。特定の対象に向けた批判が殺到し、デマが流布するなどで、サイトの閉鎖を余儀なくされる「炎上」と呼ばれる現象に至ることも少なくない。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)