月刊警察2009.4月号
周りをゆっくりと包み込むような穏やか空気と常にざわめく心の模様が上手く重ならないで戸惑ってしまうのが、この3月という季節のようです。待ち焦がれた春の暖かさにもかかわらず、素直にその現実を受け入れられない自分があるのは、きっと冬を耐え忍んできた感覚が無意識にそれを拒絶しているからでしょうか。その「春」と「心」の隔たりをつなぐため、奇跡とも言うべき「花」が咲き誇り、芳しい香りを振りまくのでしょう。
どうしても、心の距離が縮まらない、隔たりのある感覚がぬぐえない、ということがあると思います。そのような時は、春を望んでいた心のように、距離がある人・ものに対して、心を向き合わせて、相手の心に少しでも歩み寄ってみることをしてみたらいいと思います。その時にしか、思わぬ「奇跡」は起こらないのかもしれません。
「情けは人のためならず」。心を向き合わせて、歩み寄るとは、すなわち、「助け合う」ということにつながっていくように感じます。我々がもともと持っていた美徳のはずなのに、それが現在、忘れられています。
本をつくりということは、つまりは「助け合う」行動の一つのように思えてなりません。読者の「助け」となる誌面をつくり続けることが、編集者としての仕事。読者の方々に支えられながら頑張れること感謝いたします。
(Nぽん)