月刊警察2009.8月号
今年も7月7日を迎えました。この日になると思い出す曲があります。七夕好きな歌手が「織り姫と彦星」に思いを馳せて作った曲です。歌詞の内容は確か「思い出はみな幻に変わり、その二度と戻らない思い出を心に焼きつけ、ほんの少し残る焼きつけたあとのかすかな光が、二人をつないでいる」というものだったと記憶しています。この曲を思い出す時、大切な何かを気付かされます。人と人とをつなぐものは、どこまでいっても相手を思い続ける心なんだ、ということです。相手が自分を思ってくれれば、相手に自分は残り、また自分が相手を思えば、相手が自分に残ります。そんなかけがえのない思いがやがて、かすかな光を放ちはじめ、その光の数々が、夜空に映し出され天の川となっていく、そう考えたりすると、とても素敵な気持ちになりますね。だからこそ、人々は短冊に願いを込めるのかもしれません。
「セレンディピティ」という言葉があります。「偶然から幸運を見つけ出す能力」とでも訳されるのでしょう。偶然出合った曲から、大切な何かを発見する、ということも「セレンディピティ」といってもいいのではないかと思います。
小誌は、読者の方々の思いとつながってはじめて、かすかな光を放ちます。小誌をご覧になった方々が皆、「幸運を見つけ出す」ことができるよう、充実かつ素敵な誌面作りをしてまいります。
(Nぽん)