月刊警察2010.4月号
失敗をしたときに,「『初心者だから』という言い訳は通用しない。」との言葉を聞いたことがあります。また,昔の話になりますが,私が就職活動をしていた折にも,ある情報誌の中で,学生と社会人の違いの一つとして,「学生は,試験の前だけ頑張ればよい(=一定の評価はされる。),社会人は,毎日が試験である。」というフレーズを目にしたことがあります。その時は,なるほどと思いながらも,実社会の厳しさを,ただ漠然と想像していただけでした。
どんな職業でもそうですが,名刺を出し,職場の看板を背負って行動する以上,そこには自ずと自覚と責任が求められ,相手はその人を一人前とみなします。たとえ初心者であっても,です。とりわけ,警察官をはじめ,制服を身に付ける職業では,自他ともにそうした“プロ意識”が働くことが強いのではないでしょうか。
今年も春,別れと出会いの季節を迎えました。学校で,新任地で,送る側,迎える側に,それぞれのドラマがあることでしょう。
市民から期待される,頼もしい警察官の姿。「毎日が試験」の中に生き,そして,待ってはくれない現場に身を投じるとき,瞬時に求められる適正・妥当な判断のためには,幅広い知識と,それを生かす日々の研鑽が必要だと拝察します。小誌をそのための一助とさせていただくべく,私も初心に返りたいと思います。
(S)