月刊警察2010.5月号

■疑似エンジン音
エンジンを使用せず電動モーターで走るハイブリッド車や電気自動車は,走行時に通常のガソリン車のようなエンジン音がしない。そのため視覚障害者などにとって危険であるとされ,EV走行時に音を出す装置が開発されている。
国土交通省は今年1月,発生音の装置の仕様を定めたガイドラインを発表。ハイブリッド車と電気自動車を対象に,
(1) 危険度が高い発進時から時速20kmまで自動で音が出ること。
(2) 音は走行中の自動車を連想させるものであること。
(3) 音量はエンジン車と同程度であること。
を条件とした。
任意での発音装置の装備状況などを検証し,将来的には装備を義務化する方針という。

■環境リバウンド
一般に,家電製品を最新型のものへ買い替えた場合,家庭部門の二酸化炭素(CO2)排出量を減らすことができる。
しかし,従来使用していたものより大型の製品を購入すると,削減量が少なくなる状況を指す。
例えば,テレビを買い替える場合,新旧が同じ大きさなら20%削減できるが,サイズを大きくすれば削減効果は4分の1程度にとどまる。製品によっては排出量が増加することもあるという。
NPO「グリーン購入ネットワーク」(GPN)会長の東京都市大学・中原秀樹教授は,横浜市の417世帯にアンケート調査を実施。ブラウン管テレビから薄型テレビに買い替えた40世帯にサイズの変化を尋ねたところ,33世帯がサイズを大きくしたと回答した。

■臭気防犯システム
コンビニ強盗などに臭いの強い液体を吹きかけ,犯人特定や追跡につなげようとするシステム。
エンジニアリング企業の一新商事株式会社(兵庫県神戸市本社)が開発した。
コンビニなどに強盗が押し入った際,店員のボタン操作で,レジ周辺の一点から犯人に向け1〜2ccの臭気液剤が噴射される。犯人が驚いて凶行に及ぶ事態を防ぐため,徐々に臭気が出るようプログラムされているという。
特殊な悪臭は市販の洗剤や消臭剤では取れず1週間ほど持続するため,警察犬による追跡にも役立つ。価格は工事費を含め50万〜100万円程度となる見込み。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)