月刊警察2010.8月号
今月号での掲載をもちまして最終回を迎えました,飯塚訓氏の「警察官の妻たち」。今回紹介された氏御自身の半生はもちろん,治安を支える警察官の陰にあって輝く妻の姿,幾多の場面で支えとなってきた二人の絆・家族の支えが紡ぎ出す尊い物語に,深く感じ入りました。
折しも,「犯罪が起きにくい社会づくりの推進」について,各都道府県における具体的な方策が検討・推進されていることと存じます。ここにも,「連帯感」,“絆”,「規範意識」といったキーワードが表れてきます。かつては日本人の美徳,古き良き伝統とされていたあり方でしょうか。
日々,当たり前のように享受しているこの安全・安心な暮らし。大都会の片隅に住む私ですが,幸いにも,これまで大きなトラブルに巻き込まれたことはありません。ともすれば,「水と安全はタダである」とばかりに,そのありがたみを忘れてしまいそうになる自分もいます。
犯罪抑止・治安再生のためには,やはり,住民の力,社会を挙げた取組みが不可欠です。防犯ボランティアへの参加までは難しいことだとしても,私もせめて,一日の終わり,枕を高くして眠りに就こうとするとき,また,朝な夕な無機質な満員電車に揺られる中でも,地域住民の一人として自分はどうあるべきか,何ができるのかといった当事者意識に思いを致すとともに,感謝の気持ちを忘れずに持ち続けていきたいと思います。
(S)