月刊警察2010.12月号
「ピッ」と自動改札を抜けると,そこには,立ちはだかる制服。「すみません」と,私を呼び止める一人。「はいっ!」と返事をして歩みを止め,(!学生のとき以来の職質か? 何か不審に思われたかな? 何もやましいところはないんだし,堂々としていよう)と言い聞かせ,しかし表情は正直で,強ばっていくこと約2秒――。警察官の口から出たのは,「スリに気を付けてくださいね」という言葉でした。APECリーダーズウィーク直前の休日,ぶらりと立ち寄った山手線某駅改札口を出たところでのこと,厳戒体制とは聞いてはいましたが,こうした「声掛け」により,それを実感した一幕でした。
この駄文を書いているまさに今,APEC本番。今日も仕事帰り,駅構内でよく買って食べているアイスクリームの自販機の,電気が消え,張り紙がしてある横を,警備の成功を祈りつつ通り過ぎています。こうした,見える警備を機に,それにつけても“水と安全はただではない”という現実を改めて認識し,治安維持に当たる皆様に対しては,日ごろの,身近なところからの感謝の気持ちを忘れずに持ち続けたいと思いました。
今年も残りわずかです。1年間の御愛読に心から感謝を申し上げます。そして,新年に向け,皆様の御多幸をお祈りし,小誌の更なるお引立てをお願いしつつ,今年の「編集室発」の筆をおきます。自らの精進もまた,忘れることなく!
(S)