月刊警察2011.12月号
早いもので,今年も師走を迎えることとなりました。あらゆる人・物に甚大な被害,語り尽くせぬ衝撃と影響を与えた未曽有の大震災から9か月――。その傷跡も癒えず,今なお被害が続く中で迎える年の瀬,読者の皆様の胸裡には様々な思いが去来していることでしょう。
夜間,都内某繁華街の交差点で見かけた,交通指導・取締りに当たる警察官の姿。それは日常の光景であったかもしれませんが,一際頼もしく映りました。平時はもちろん,震災直後の即応体制をはじめ,どんなに厳しい状況下においても市民の信頼に応える使命感。その,安全・安心を守るため,冷静に,一途に職務に精励する勇姿に,改めて深謝いたします。
今月号掲載の「昇任試験の極意(SAの巻)」の一節に,“「基礎学力」と「解答術」は,言わば車の両輪である”とのたとえがあり,なるほどと感じました。勉強でも実務でも,普段からこつこつと基本を積み重ねていく地道な努力と,現場(本番)で瞬時に求められる臨機応変な判断・対応の両方が必要とされるのでしょう。こうした日々の錬成こそが,いざという事態にも遺憾なく発揮される「力」を生んでいるのだと納得させられました。
大変厳しい1年でしたが,その中で,小誌が皆様に少しでも希望の光を与えることができたなら,望外の喜びです。1年間の御愛読に感謝しつつ,今年の「編集室発」の筆を擱きます。
(S)