月刊警察2012.2月号

■運転経歴証明書
運転免許証と同じサイズで,住所,氏名,生年月日などが記載されている証明書。高齢などの理由で免許証を返納した場合,申請すれば交付される。
各都道府県の公安委員会では事故を防ぐため高齢運転者の運転免許証返納を呼び掛けてきたが,免許証を身分証明に使っている人が多く,返納が滞っていた。
そこで平成14年から免許証に代わる証明書として運転経歴証明書の交付を始めた。返納者にはバスやタクシー割引などの特典もあり,交付申請は増加傾向にある。
昨年11月,警察庁は交付後6か月の有効期限を撤廃し,公的な身分証明書として生涯使用できるようにする改正方針を決めた。今年4月の施行を目指している。

■川崎病
主に乳幼児がかかる急性熱性発疹性疾患。小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群ともいう。
原因は不明だが,全身の血管に炎症が起こり,全身臓器の炎症性病変など多彩な合併症をもつ。4歳以下の幼児,特に1歳前後が最もかかりやすい。重症化すると心臓に冠動脈瘤が出来るなど,命にかかわることもある。
以下のうち5つ以上の症状が当てはまれば川崎病と診断される。
(1)39〜40℃の高熱が5日以上続く,(2)体に赤い発疹が出来る,(3)手足の先が赤くなり硬く腫れる,(4)両目が充血する,(5)口唇が赤くなり舌にイチゴのような赤い斑点が出る,(6)首のリンパ節が腫れる。
特定非営利活動法人日本川崎病研究センターの調査では平成17年以来,患者数が6年連続で1万人を超えており長期的流行になっている可能性があるという。昨年12月には0〜4歳の人口10万人当たりの発病率が239.6人と,調査開始以来最高となった。

■遺品整理士
法規に即して遺品整理を行う資格で,廃棄物やリサイクル品に関する各法規制を守り,遺品や供養について十分な理解と認識をもって活動する専門家。
現代社会では個人所有物が増加した上,核家族化や孤独死などで故人の遺品整理が困難な場合も多い。遺族に代わり遺品を整理する代行業者が増加しているが,不用品の不法投棄事案や,不当な高額料金を要求する業者も存在する。
そのため,一般社団法人遺品整理士認定協会が設立され,養成講座の運営と認定試験を実施。既に全国で次々と遺品整理士が誕生している。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)