月刊警察 2012年 4月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

バス高速輸送システム(BRT)

一般道と分離した専用道路にバスを走らせる新交通システム。一般道と異なり渋滞等の影響を受けないためダイヤどおりの運行が可能で,車両を連結し輸送力を高めることもできる。中国や韓国,ブラジル等の大都市で運行されている。

JR東日本では,昨年の東日本大震災で多大な被害を受けた3路線に関し,従来の鉄道ルートに専用道路を整備してバスを運行する復旧案を示している。導入が予定されているのは,不通となっている東北地方のJR7路線のうち,気仙沼線,大船渡線及び山田線の一部で,計154km。

レールや駅舎の新設が不要なため,鉄道より早い復旧が期待でき,市街地が高台に移転した場合や鉄道の橋脚が津波で流された場所等では一般道も利用するなど,柔軟なルート設定も可能となる利点もある。


脱法ハーブ

乾燥させた植物片に幻覚作用のある薬物を混ぜたもの。たばこのように紙で巻いたりパイプに入れたりして火をつけ,その煙を吸引する。混ぜる薬物は薬事法で規制された指定薬物以外であることが多いが,ひとたび指定されると新たに別の物質を加えて調剤され,市場に出回るといった,法規制の網の目をすり抜ける事態が繰り返されている。

脱法ハーブには大麻に似た使用感をもつ物質が含まれ,吸引を続けていると薬物中毒に陥ることもある。使用者が精神錯乱や意識障害で病院に搬送されるケースや,大麻や覚醒剤にも手を出すことも少なくない。

こうした情勢を受け,東京都や福岡県等各地の自治体も販売の実態解明に乗り出した。また,厚生労働省では,成分構造が似ていれば,薬事法上で一括して規制や摘発ができる「包括指定」の導入も含めて検討している。


留美派

「りうめいは」と読み,アメリカ(中国語で「美国」)に留学して博士号を取得した中国人を指す。日本を抜いて世界第2の経済大国となった中国では,国際金融の分野等でもアメリカ留学経験者の活躍が目立っている。

1980年代前半にアメリカの大学で学ぶ中国人は1万人程度だったが,現在は約13万人と10倍以上に膨れ上がっている。日本人の場合は学部留学が半数だが,中国人は多くが大学院留学で専門性が高く,卒業後はアメリカの金融機関等で一定期間働き,経験を得てから帰国する。

母国では金融機関の要職や大学教授等の職に就き,国際機関の上級職へ進出していく者も多いという。こうした人材が,中国経済のみならず,世界経済のけん引力となりつつある。