月刊警察 2012年 12月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

ダブルナンバー物流

物流用貨物車に複数国のナンバープレートを取り付けることで,いずれの国でも公道の走行が可能になること。港湾で貨物を積み替えずに済むため,物流スピードの大幅な向上とコスト削減につながる。

今年夏には日本と韓国が両国間でこの取組を実施することに合意。10月から日産自動車がダブルナンバー物流による自動車部品の輸入・搬送を開始した。

日本メーカー側は従来,約1か月分の韓国製部品の在庫を確保しなければならなかったが,ダブルナンバー物流により3日分に縮小されるという。2014年以降には,日産車の受託生産を開始予定の韓国・ルノーサムスン自動車(釜山市)の工場に日本から部品を搬送する計画だ。


在留カード

日本国内に長期的に滞在する外国人に対して交付されるカード。入管法改正に伴い外国人登録制度が廃止され,今年7月から新たに導入された。従来の制度では,外国人が日本に3か月以上滞在する場合,居住地区の市区町村に届け出て外国人登録原票の交付を受けなければならず,住民票提出が必要な届出等に対して煩雑な手続を余儀なくされていた。

新制度では,身分証となる在留カードが入国管理局で交付され,市区町村への届出が不要になったほか,外国人も住民票に記載されることになった。再入国許可の有効期間は最長3年から5年に延長され,日本出国から1年以内に再入国する場合は,原則として再入国許可手続が不要になる緩和措置も採用されている。

在留カードは運転免許証と同じサイズで,顔写真,氏名,居住地,在留資格,就労制限の有無等が記載され,偽造防止のためにICチップが埋め込まれている。


障害者虐待防止法

正式名称は,「障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律」。障害者への虐待を禁止し,その防止や早期発見を国や自治体の責務と定め,昨年6月に公布され,今年10月1日から施行された。

同法では,虐待を受けたと思われる障害者を発見した場合,自治体へ通報することを努力義務として課しており,通報を受けた自治体は,速やかに事実確認を行って対応措置を講じなければならない。虐待を行う者として,障害者の養護者,福祉施設の従事者,使用者の3区分が規定され,家族や親族以外にも雇用主や上司等が想定されている。また,虐待の区分は身体的虐待だけでなく,ネグレクト(放置),心理的虐待,性的虐待,経済的虐待の5区分がある。