月刊警察 2013年 5月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

改正高年齢者雇用安定法

厚生年金の支給開始が今年度から段階的に引き上げられることに伴い,「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)が一部改正され,この4月に施行された。定年退職後,収入が全くないという事態を避けるため,希望する高齢社員の雇用を企業に義務付ける内容だ。厚生年金支給開始年齢に合わせ,今年度は61歳,2025年度には65歳まで引き上げられる。企業側は,定年の延長等で対応するとみられる。

いよいよ加速する高齢化社会に向け,政府の産業競争力会議でも「高齢者の雇用・活躍推進」がテーマとなっており,労働人口の減少を補う人材として高年齢者を積極的に活用しようという動きが出てきた。だが一方では,継続雇用や定年の引上げによる人件費の拡大,あるいは新卒採用への影響等も懸念されている。


キプロス財政危機

2009年,ギリシャで巨額の財政赤字隠蔽が発覚したことをきっかけに,ギリシャ国債の評価が著しく下落し,キプロス共和国の大手金融機関が保有していたギリシャ国債が不良債権となった。

金融業で成り立つキプロスの銀行にとっては致命的な痛手で被害が大規模化。財政破綻を回避するため,同国政府はユーロ圏諸国に支援を要請し,この3月,キプロスが自国財源から58億ユーロを確保することを条件に,総額100億ユーロの支援が決まった。

地中海に浮かぶ小国家キプロスは,人口約100万人,GNP約2兆円のEU加盟国。主要産業は観光業と金融業で,銀行預金者にはロシアをはじめ各国の富裕層が多いといわれる。支援条件の財源を捻出するため,キプロス政府は銀行預金者に対し預金額に応じた強制的な課税等を打ち出す構えだ。また,3月下旬には同国内の全銀行が数日間営業を停止すると発表されたが,これは取付けを防ぐための措置とも言われた。


さとり世代

浪費を好まず平穏な暮らしを志向する,半ば達観したような生活観の若者を示す言葉。「ゆとり世代」に続く次世代のキーワードとして注目される。山岡拓の著書『欲しがらない若者たち』の内容から,インターネット上のコミュニティ等を通じて生まれた語とされる。

車やブランド品,旅行,恋愛等に興味が薄く,結果を見て行動する傾向も強い。背景には,生活様式や価値観の多様化,不景気な世相等が考えられ,「草食系男子」もこの世代の端緒とみられているようだ。