月刊警察 2014年 7月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

中1ギャップ

小学校を卒業し中学校に進学した生徒が,学校生活や社会環境の変化等にショックを受け,適応できずに心身の健全性を損なう現象を指す。

中学校進学時には,学校が変わるだけでなく,学習量が増加しクラブ活動等も加わる。また,異なる小学校から集まった生徒間で人間関係が再編成され,上級生との上下関係も生じてくる。さらに,中学校入学時は身体的成長が著しい時期でもあり,こうした環境変化についていけず,情緒不安定になったり,いじめの対象になったりする生徒も少なくない。

中1ギャップは,必ずしも入学直後に起こるわけではなく,徐々に顕在化することもあるという。これを緩和するには,親,教師,地域によるサポートや小学校と中学校の連携等が重要視されているが,よりスムーズな進学が可能となる小中一貫校等も,今後の効果が期待されている。


遺伝子検査ビジネス

遺伝子情報の解析を通じ,個人の体質や病気にかかるリスク等の健康情報を検査する事業で,ヘルスケア分野における先端ビジネスの一つ。

一般的には,診断希望者が検体採取キットを購入し,口腔粘膜等を採取して事業者に送付,受け取った事業者が遺伝子情報を解析し,結果を通知する「DTC遺伝子検査」方式が多く用いられている。

遺伝子検査の利点は,将来罹患する可能性がある疾患等をあらかじめ把握でき,適切な予防や健康管理に役立てられる点である。DTC遺伝子検査方式は,インターネット等を通じて比較的手軽に行えるため,肥満や脱毛症の傾向,親子の血縁関係等を診断する事業者も出てきた。

しかしながら,登場後間もないビジネスであり,医師や専門家が介在しないケースも多いため,診断や検査結果に対する不適切な理解が生じる懸念も大きい。

さらに,遺伝子情報に関しては,法的・倫理的に未整備な部分も多いことから,経済産業省は昨年から今年にかけ,「個人遺伝情報保護の環境整備に関する調査」(遺伝子ビジネスに関する調査)と題する報告書及び「遺伝子検査ビジネス実施事業者の遵守事項」等を公表した。

現状,日本ジェノミクス梶Cジェネシスヘルスケア鰍ニいった,遺伝子検査やDNA型鑑定を主業務とする事業者に加え,化粧品通販等を行う灰HC等が,この遺伝子検査ビジネスに参入している。

また,この6月には,ソーシャルメディア運営で知られる潟fィー・エヌ・エー(DeNA)が,灰eNAライフサイエンスを設立,東京大学医科学研究所と協業して遺伝子検査ビジネスに取り組むことを発表した。