月刊警察 2014年 9月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

カリコム(CARICOM)

中米・カリブ海地域に位置する旧イギリス領の国々(旧英領カリブ諸国)による同盟で,別名「カリブ共同体」ともいう。カリブ自由貿易連盟(CARIFTA)を前身とし1973年8月1日に発足,2014年時点では,ジャマイカ,トリニダード・トバゴ,バハマ等14か国及び1地域が加盟しており,英国領の島々も準加盟国・地域として加わっている。

カリコムは,加盟国間の経済・社会・文化・技術における協力を主眼に,資本やサービスを一元化した単一の経済圏をつくる経済統合や,外交政策の調整を目指す。

日本とカリコムは,1990年代から事務レベルの協議を,また,2000年以降は閣僚レベル会議を定期的に実施。今年は協議開始から20年を経た「日・カリブ交流年」とされ,日本及びカリコム各国で文化交流事業等が催されている。この7月に安倍首相が中南米を訪れた際,日・カリコム首脳会合が開催された。


エボラ出血熱

ヒト及び動物に感染する人畜共通感染症エボラウイルスを病原とするウイルス性の出血熱。近年,公式名称がEVDと改められた。1970年代に初めて確認されて以来,断続的に流行しており,現在に至るまでワクチンや効果的な治療法は確立されていない。

エボラ出血熱は致死性が極めて高く,感染者が死亡する確率は70〜90%ともいわれ,感染危険度を示すバイオセーフティレベルにおいて最高ランクの「グループ4」に指定されている。

今年3月にギニアでエボラ出血熱の発症が確認され,国境なき医師団によると,3月末の時点で死者78人,感染が疑われる患者およそ120人と報告された。その後も感染が拡大し,8月には,WHOが西アフリカにおけるエボラ出血熱による死者は880人を超えたと報告。同月,リベリアで非常事態宣言が出された。今後は,局地的流行が世界規模にまで広がることも危惧されている。


大手町温泉

東京都千代田区大手町の都市再生事業で複合ビル建設予定地の地下1,500mを掘削中に発見された温泉。水温36.5℃,泉質は治療用途に適した療養泉に分類され,湧出量は毎分240Lという。今年7月に温泉と認定され,「大手町温泉」と命名された。

掘削した三菱地所鰍ヘ,東京五輪開催に向けた外国人観光客も視野に開発計画に取り入れ,宿泊施設やフィットネス施設を展開するとともに,災害発生時には,周辺の衛生環境の向上に寄与できるものにしたいとしている。