月刊警察 2015年 2月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

偽カード送付詐欺

「キャッシュカードを更新する必要がある」などと偽って偽のカードを送り,本物のキャッシュカードを返送させて盗み取る詐欺の手口。地方銀行のキャッシュカードが狙われやすく,全国で被害報告が相次いでいる。

「キャッシュカードにセキュリティ上の問題がある」,「個人情報が流出している」などと所有者の不安をあおり,新(偽)カードとともに,所有するカードの返信用封筒と,新旧の暗証番号を記入する書類を送りつけ,返送されたカードで,現金を不正に引き出す。

本来,銀行が顧客に暗証番号を尋ねることはなく,新規カード発行時には所有者本人が旧カードにはさみを入れるなどして使用不可能にするため,上記手口のようなことは起こり得ない。被害事例があったみちのく銀行等は,利用者に広く注意を呼び掛けている。

拘束介護

高齢者介護において,転倒やはいかいを防ぐため,要介護者に身体的拘束を行うこと。ベッドや車椅子に,ひも等を用いて固定したり,ミトン状の手袋を着けさせたりするほか,部屋に施錠するなどの措置も含まれる。

高齢者介護では,緊急時の身体拘束がやむを得ないと判断されることもある。介護保健施設の指定基準には,対応に切迫性・非代替性・一次性の要素があり,極めて慎重に確認手続等が行われる場合に限り,拘束介護が容認される旨規定されている。しかし,慢性的な拘束は当事者の人権を著しく損なうとして,高齢者虐待に当たるおそれがある点が問題視されている。

ダーティーボム

核爆発の威力によって対象を破壊する核爆弾に対し,ダイナマイト等の通常爆発物を用いて放射性物質を飛散させる兵器。医療用・工業用放射線源も材料となり得るため,比較的容易に製作できるとされる。放射能汚染によって対象を長期間機能不全にすることを目的とし,テロ等に利用されることが懸念されている。

外務省領事局邦人テロ対策室では,万が一,ダーティーボム爆発が起きた場合,放射線の人体への影響を軽減するため,布等で口と鼻を覆って爆発地点から可能な限り離れ,放射線を遮断すること,また,建物の中で待機することを推奨。さらに,汚染された衣類は直ちに脱いで密閉し,身体を石けん等でよく洗い,汚染物質を取り除くよう指導している。

なお,原子力発電所が爆発事故等により炉心溶融し,周囲に放射性物質が放出された状態を指して,「ダーティーボム状態」と形容することもある。