月刊警察 2015年 3月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

休廃業

資産的には余力があるにもかかわらず,企業が事業活動を停止している状態を指す。官公庁等への廃業届が未提出であっても,活動が停止されていれば休廃業となる。

要因は,業績の低迷だけでなく,後継者の不在により休廃業を余儀なくされるというケースも増えつつある。

一方,会社が解散の登記を完了している場合は休廃業と区別し,「解散」と呼ばれる。解散の場合は,全事業が停止され,事業所も閉鎖されているため,同じ企業体として活動を再開する可能性はない。

今年1月に樺骰巣fータバンクが発表した調査報告によれば,昨年休廃業・解散した事業者数は約2万4,000件。倒産件数の2.6倍に上り,そのうち3割は建設業という。一昨年より総数は減少したが,代表者が70歳以上である企業の休廃業・解散件数は増え続けている。

ISIL (アイシル)

中東を拠点にテロ活動を繰り広げているイスラム過激派組織,いわゆる「イスラム国」を指す呼称の一つで,「イラクとレバントのイスラム国」の頭文字をとったもの。同組織は2014年まで,「ISIS」(イラクとシャムのイスラム国)の名で活動しており,昨年6月に国家樹立を宣言,「イスラム国」(IS;Islamic State)を自称している。

しかし,国家として承認されているわけではないため,各メディアがそれぞれ複数の呼称を使用している。今年1月,自民党は同組織をISILと呼ぶ方針を固めた。これは,「我が国がイスラムの国々と対峙しているわけではなく,また,同組織を国家として承認しているかのような印象を避けるため」と説明されている。

国産テロリスト

これまで,先進国におけるテロ行為は,2001年のアメリカ同時多発テロのように,テロ組織の本拠地から実行犯が渡航し,犯行に及ぶケースが大半だった。しかし近年は,先進国出身者が過激派思想に感化され,自国を攻撃対象としたテロ行為を起こす事件が増加している。

例えば,2013年に米国で発生したボストンマラソン爆発事件の実行犯は,チェチェン出身で米国籍を取得した20代の若者であり,今年1月にフランスで起きたシャルリーエブド銃撃事件も,フランス国籍をもつ国産テロリストによる犯行だった。

近年は,イスラム過激派がインターネットを通じ先進国の若者を感化し,戦闘訓練を施して自国で破壊行為等を実行させる例も起きている。

国産テロリストは,必ずしも過激派組織に所属しているとは限らず,事前に発見することは困難なため,今後の早急な対策が求められている。