月刊警察 2015年 4月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

記念Suica騒動

昨年12月,東京駅開業100周年を記念したIC乗車券Suicaが1万5,000枚限定で発売された。赤レンガの丸の内駅舎がデザインされ,特製の台紙とセットで1枚2,000円。

予約不可,東京駅のみでの販売という条件から,発売初日に購入希望者が殺到。一時は1万人以上が東京駅周辺を取り囲み混乱を来したため,約8,000枚を販売した時点で販売打切りとなったが,一部の購入希望者が駅員に詰め寄るなどして騒然となり,約100人の警察官が出動する騒ぎに発展した。

その後,JR東日本は販売方法を見直し,上限をなくしてインターネットや郵送で申込みを募ったところ,予約受付開始から3日あまりで販売予定枚数の100倍を超える170万枚以上の申込みがあった。以降も申込件数は増え続け,2月の締切時には申込総数が499万枚に達したため,今年度発送分は抽選となった。

出産ツーリズム

生まれてくる子供に米国籍を取得させるため,米国に短期滞在して出産する中国人女性が急増し,妊婦の滞在先や食事,運転手,医師への紹介等をあっせんする出産ツーリズムが活況を呈している。中国国営メディアによると,米国で出産した中国人女性は,2008年の約4,200人から,一昨年には2倍超の約1万人に増加。大半は米国本土での出産だが,中国に近く,中国人観光客のビザ免除制度がある米自治領の北マリアナ諸島も人気がある。

昨年,高額な費用をかけてカリフォルニア州で出産した北京在住の27歳女性は,妊娠初期から渡米の準備を開始し,短期賃貸物件や人気の病院等を紹介してもらったという。米国籍の子供は北京市内のインターナショナルスクールに通えるため,将来は海外に進学させ,家族で移住することを考えている。

また,別の35歳女性は「一人っ子政策」を逃れるため,業者を通じて約3万ドル(約350万円)のマタニティーパッケージを利用し米国で出産。子供は,小学校から米国内の学校に通わせる計画だ。

近年,中国の富裕層が海外へ流出する傾向にあり,昨年のある調査では,1,000万元(約1億9,000万円)以上の資産を持つ中国人のほぼ3分の2が,国外へ移住,あるいは,移住の計画を進めているという。物価が高騰する北京に比べ,米国は不動産価格が手頃で生活費も割安なため,米国で出産する女性たちも将来の移住を視野に入れている。

しかし,こうした事態を受け米国では,外国人妊婦の流入に規制を求める声も上がり始めている。