月刊警察 2015年 8月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

消滅可能性都市

少子化や人口減少によって都市機能が破綻し,存続が危惧される地方自治体を指す。

民間研究機関である日本創成会議・人口減少問題検討分科会が発表した試算によると,全国市区町村の49.8パーセントに相当する896自治体が該当し,青森,岩手,秋田,山形及び島根の5県では,8割以上の市町村に消滅可能性があるとされた。

日本創成会議では,出産を担う20〜30代女性の減少を人口推移の手掛かりとし,2010年から2040年までの30年間における人口減少を都市別に推計。若年女性の人口が5割以下になると試算された都市を,「最終的には消滅する可能性がある」とみなしている。

ユーロ圏離脱

イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相は,2017年までに欧州連合離脱の是非を問う国民投票を行うと明言。そこで,イギリス(Great Britain)と「退出・離脱」を意味する単語(Exit)を組み合わせた「ブレグジット(Brexit)」という造語が頻繁に使用されるようになっている。

リスボン条約改正を巡ってイギリスと欧州連合各国との歩調が合わず,また,PIIGS(ポルトガル,イタリア,アイルランド,ギリシャ,スペイン)に代表される財政悪化が著しい国々との軋轢も要因のようだ。

同じく離脱が取り沙汰されているギリシャにも,同様の造語がある。GreeceとExitを組み合わせた「グレグジット(Grexit)」で,2012年に政局が混乱し,ユーロ圏離脱がささやかれたことから発生した。

グレグジットが現実化すれば,ギリシャではユーロが使用不可能となるため,独自の通貨を新たに発行するか,旧通貨のドラクマを復活させるかの選択を迫られ,また,欧州中央銀行からの支援も受けられなくなる。

トランス脂肪酸

不飽和脂肪酸のうち,トランス型の二重結合を一つ以上含むものの総称。天然の油脂にはほとんど含まれていないが,水素添加や高温処理等の油脂加工過程で生成される。

トランス脂肪酸を多く摂取すると体内で悪玉コレステロールが増加し,心臓疾患等のリスクが高まることが指摘されている。

アメリカの食品医薬品局はトランス脂肪酸の摂取抑止に取り組んでおり,一昨年には天然由来でないトランス脂肪酸を含む食品の販売を原則禁止とした。今年は,今後3年間でトランス脂肪酸を添加することとなる油脂の使用禁止,すなわち,トランス脂肪酸の全廃を決定。一方,日本の平均摂取量は欧米に比べて少ないため,業界の自主的取組として使用を抑制しているのが現状である。