月刊警察 2015年 11月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

ドローン航空管制システム

無人航空機,いわゆるドローンを利用した宅配サービスを検討する米国Amazon.comが,今年7月に開催されたNASA UTM(Unmanned Aerial System Traffic Management) Convention 2015で「ドローンハイウェイ」の設置を提唱した。時速100キロメートル超のドローンが飛行する高速レーンを高度200〜400フィート(約61〜122メートル)の空域に定め,旅客機との接触を避けるため,その上空30メートルは飛行禁止区間とする計画だ。

これを受け,8月下旬からNASA(米航空宇宙局)がドローン航空管制システムのテストを開始した。無線通信でドローンを遠隔管理し,運航許可や飛行禁止空域への侵入制止などを指示。今後はインターネットでトラッキング可能なシステムなども開発し,2020年までに本格稼働させる予定だという。

国内ではドローンの基本的な飛行ルールを追加した改正航空法が9月に可決され,空港周辺などの特定圏域におけるドローンの飛行禁止,飛行方法の制限などが盛り込まれた。

介護離職

高齢化を背景に受け皿となる施設や人材の不足で親族が介護せざるを得ず,離職を余儀なくされるケースが急増している。竃セ治安田生活福祉研究所と(公財)ダイヤ高齢社会研究財団が行った「仕事と介護の両立と介護離職」に関する調査では,介護専念者の多くが「自分以外に介護する者がいない」と答えたという。

現在,介護離職者は年間10万人と言われ,男女ともに50代が最も多い。働き盛りの世代が離職する悪影響も懸念されており,政府は今年9月,「介護離職ゼロ」に向けた取組の推進を掲げ,具体的施策として特別養護老人ホームの拡充を挙げた。厚生労働省では事業者及び労働者への介護休業制度の周知を図るなど,介護と仕事の両立を促している。

マグマ水蒸気噴火

火山活動の噴火現象には地底のマグマが噴出する「マグマ噴火」と,マグマの熱で付近の地下水が気化し,大量の水蒸気で圧力が急上昇し爆発する「水蒸気噴火」とがある。後者では火口付近の岩石が砕け噴石や火山灰となって飛散する。この二つが同時に発生した現象を「マグマ水蒸気噴火」という。

今年9月に発生した阿蘇山(熊本県)の噴火では,火山灰にマグマの成分が含まれていた点や約60キロメートル離れた福岡県内でも降灰が確認された点などから,気象庁はマグマ水蒸気噴火の可能性が高いとしている。