月刊警察 2017年 2月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

眠育

睡眠時間が体に与える影響を医学的に説明し,十分な睡眠を取るよう青少年に指導する教育。睡眠不足が慢性化した青少年の脳は,疲労で機能が低下し,血圧や体温を調整して体のリズムを作ることが困難になる。その結果,朝起きられなかったり腹痛や頭痛などの症状が出たりして学校を休むことにもなってしまう。

一般的に理想的な睡眠時間は,小学生で10〜11時間,中学・高校生で8〜9時間。しかし,Benesse教育研究開発センターの調査では,睡眠時間が6時間以内と答えた中学生は18.4%,高校生は50.1%にも上る。

大阪府の堺市立三原台中学校で全校生徒に就寝時刻を尋ねたところ,年間30日以上休む生徒の8割以上が午前0時以降,うち半数が3時以降と答えた。「スマートフォンでラインのやり取りがやめられないから」という理由も目立ったという。

そこで,昨年度から冊子や総合学習の時間などを利用して眠育に取り組み,寝る直前のスマホやテレビを「脳に刺激を与え眠りが浅くなるから」と禁止。午前0時までの就寝を促したところ,半年間で,欠席が多い生徒の4割に改善がみられた。

眠育の普及啓蒙活動を実施する団体には(一社)日本睡眠教育機構,(一社)日本眠育普及協会などがあり,前者が資格認定を行う睡眠健康指導士は,昨年10月現在,初級上級合わせ1,983人を数える。資格取得者には医療や教育関係者,公務員なども多く,各分野で眠育が注目されていると言えそうだ。

マイクロマーケット

本来は極小店舗,小規模商圏という意味だが,コンビニエンスストアが次なる市場開拓として設置を進める,食品自動販売機や店舗外販売業態の代名詞として使われる。

ファミリーマートでは,オフィスや病院,工場などの限定された小規模商圏に約2,000台の多品目自販機を設置。1台で,おにぎりやサンドイッチ,カップ麺,デザート,飲料といった食品に加え,ストッキングなど50〜60品目を販売している。企業に自販機を設置する業者と提携し,1日1回商品を補充,消費期限前に入れ替える。

また,セブン-イレブンは,JR西日本の大阪駅に,いれたてのコーヒーを自動販売するマシン5台を設置した小型専門店を開業。ドーナツや焼き菓子なども合わせて販売し,1日500杯,約5〜6万円の売上げを目指す。

コンビニエンスストアは現在,全国に約5万4,000店舗あり,1店舗当たりの商圏は狭まる一方だ。今後は極小商圏でも成立するこうした業態が拡大するとみられる。