月刊警察 2017年 4月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

受動喫煙対策

たばこの煙には約4,000種類の化学物質が含まれ,このうち約200種類に有害物質が,60種類以上に発がん物質が含まれているといわれる。喫煙者でなくとも周囲のたばこの煙を吸い込む受動喫煙により健康に深刻な影響が生じ,虚血性心疾患,脳卒中,肺がんなどを発症,年間約1万5,000人が死亡しているとの報告もある。

世界ではニュージーランドやイギリス,ロシアなど40か国以上で,屋内を全面禁煙とする法律が成立しており,国や州によっては子供が乗っている自家用車内までが規制対象。しかし,日本の受動喫煙対策は“努力義務”にとどまるため,世界保健機関(WHO)から「先進国で最低レベル」との指摘を受けてきた。

厚生労働省はこの3月,2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れ,受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案の原案を発表。小・中・高校と医療施設は敷地内全面禁煙,大学や運動施設,官公庁は屋内全面禁煙とし,焦点となっていた飲食店は,居酒屋なども含め屋内原則禁煙とした。違反した場合,50万円以下の過料を設けることも盛り込まれている。

2019年9月に開幕するラグビーワールドカップ前の施行を目指している。

アジアの超高層ビル

昨年,全世界で完成した高さ200m以上の高層ビルは,過去最多となる128棟を数えた。うち3分の2に当たる84棟が中国で建設され,深セン市の「平安国際金融中心」(600m)は現存するビルで世界第4位の高さを誇る。次いで,天津市「高銀金融117」(597m)が第5位,広州市「CTF金融センター」(530m)が第8位。2020年までに蘇州,武漢などにも630m以上のビルが屹立することになるという。

中国国内の景気減退がささやかれても,建設ラッシュは止む気配がない。中国政府が計画する農村部から都会への移住を推進するため,その巨大な受け皿となる2.5億人分のタワーマンション群なども主要都市近郊に林立し始めている。

他のアジア諸国でも,韓国のソウル特別市に昨年完成した「第2ロッテワールドタワー」(555m)が世界ランキング第6位。上位からは外れるが,タイでもバンコク市内最高層の「マハナコン」(313m)が都心中心部に誕生し,2022年にはアジア最高層となる125階建て「スーパータワー」(615m)のオープンが予定されている。

ちなみに日本国内の最高層ビルは大阪の「あべのハルカス」(300m)。