月刊警察 2017年 8月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

退位特例法

第125代天皇の生前退位を認める特例法。皇室典範第4条規定の特例として今年6月9日に成立。退位特例法の施行日より第125代天皇は退位し,皇嗣が天皇に即位。1817年の光格天皇以来,約200年ぶりの退位で,退位した天皇は上皇,その皇后は上皇后となる。

退位特例法で生前退位が認められるのは第125代天皇に限り,以降の生前退位については,その時々に応じて法律を整備し準備を進める。これは,生前退位の恒久化による恣意的又は強制的な退位が実現し,日本国憲法第4条に明記された「天皇の権能と権能行使の委任」に抵触することを防ぐためとされる。

退位特例法の施行は,公布から3年以内の2020年6月までに行われ,退位日は,首相が三権の長や皇族で構成する皇室会議の意見を聴き決定する。国民生活への影響を考慮し,新元号を事前に公表して一定期間を置く考えだ。

退位特例法では,歴代天皇が継承してきた「三種の神器」の贈与税を非課税とし,天皇誕生日を現在の12月23日から,現皇太子の誕生日である2月23日に変更。新たに皇位継承順位1位となる秋篠宮親王については,待遇などを現皇太子と同等とし,称号には「秋篠宮」を残し敬称に「皇嗣」を付ける方針という。

シビックテック

シビック(Civic=市民の)とテック(Tech=テクノロジー)を組み合わせた造語で,地域住民がITなどの技術を活用し,地域やコミュニティの課題,諸問題の改善に臨む取組を指す。

2000年代中頃から,アメリカで行政サービスにインターネットの活用を求める動きが生まれ,「行政サービスをスマートフォンのように使いやすく」をキャッチフレーズにしたCode for Americaなどが誕生。データや情報を提供する行政と協働しながら,市民自身が課題を解決していく仕組みが機能し始めた。

日本でも2013年以降,民間のITエンジニアと自治体組織によるアプリケーションやインターネットサービスの協働開発などが行われている。地域の枠を超え,各地のシビックテックから生まれた技術やシステム,また,育成された技術者を共有する動きも盛んだ。

金沢市発の分別ゴミ収集情報アプリ"5374.jp"は,ソースコードの公開により全国25都道府県で使用されるまでに拡大。また,ブリゲイド(IT消防団)と呼ばれるシビックテック組織は,現在全国に50団体以上ある。

一般社団法人Code for Japanでは,民間企業の従業員を各自治体の職員として派遣するなど国内のシビックテックの醸成を促進している。