月刊警察 2018年 1月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

テロ支援国家

テロ組織を秘密裏に支援しているとみなされる国を指す呼称。専らアメリカが適用している概念で,テロ支援国家の指定は,アメリカが他国を名指しで非難する声明でもあり,指定された国家は禁輸措置をはじめとする規制・経済制裁の対象となる。

1979年当初,アメリカ国務省がリビア,イラク,南イエメン,シリアをテロ支援国家に指定し,後にイラン,キューバ,スーダン,北朝鮮が追加された。これまで,リビア,南イエメン,イラク,北朝鮮,キューバに対する指定が解除されたが,2017年11月には北朝鮮を再び指定する意向が表明されている。

白タク

日本国内でのタクシーの営業には第二種免許が必要で,営業用車両として認可された,緑色のナンバープレートを装着した車両を使用しなければならない。しかし近年,自家用車をタクシーとして使用し,必要資格・免許・設備などを持たないまま違法営業する白タク行為が増加している。

特に問題となっているのは,国内の観光地や空港などで在日中国人が中国人観光客を客として乗せるケース。中国国内ではタクシー営業に要する条件が日本と異なるため,利用者には白タクが違法であるという認識や罪悪感が薄いといわれる。また,中国国内で多用されているタクシー予約サービスを通じて事前に予約や決済が行われているため,現場を押さえ摘発することが困難となっており,今後の早急な対策が待たれる。

パラダイス文書

イギリス領バミューダ諸島にある法律事務所から流出したとされる,タックスヘイブン(租税回避地)への資産預け入れに関連する資料群。およそ1,340万件の電子文書から成る。「南ドイツ新聞」によって入手され,2017年11月に国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)を通じて公開された。

同文書からは世界中の著名人の名が見出されており,名だたる超富裕層が租税回避に関与していたことをうかがわせる。鳩山由紀夫氏はタックスヘイブンに資産を預け入れるどころか,同地に設立された法人の役員に就任していたことが明らかになっている。

タックスヘイブンそのものや資産の預け入れは不正行為ではないが,租税の回避は,本来受け入れるべき課税を避け,自国への資産の還元を拒否しているとみなされる場合も。同文書に名が挙がると,超富裕層による富の寡占状態を促すとして否定的な扱いを受けやすい。