月刊警察 2018年 9月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

ウーバーライゼーション

アメリカ発の配車サービス「ウーバー(Uber)」の名称にちなみ,新たなビジネスモデルを持つデジタル企業が突然参入し,既存の業界に革新をもたらすことを指す。その結果,大企業といえども安住していられなくなる状況が生じている。

ウーバー・テクノロジーズが運営する,自動車配車ウェブサイト及び配車アプリ「ウーバー」は,あらかじめ登録した一般人が運転手となり,利用者がアプリに現在地を入力して配車を希望すると,利用可能な最寄りの車が利用者の元に来るという仕組み。

運転手と乗客が互いを評価し履歴を残す上,利用料はクレジットカード決済のため,安全で安価に利用できると好評で,現在は世界約70か国・地域の450都市以上で展開されている。

しかし,これによりタクシー業界が大打撃を被っており,スペインではタクシーの運転手が「ウーバー」などの営業規制を要求し,マドリードやバルセロナの目抜き通りにタクシー車両を並べて閉鎖,ストライキによる抗議を続けるなどの混乱も起きている。

老朽危険家屋

老朽化が進み倒壊の危険性がある建築物の総称。空き家を含む場合もあるが,通例では住人がいながら老朽化している木造家屋を指す場合が多い。

住人の高齢化や核家族化などで建物の維持保全管理が行き届かず,いつ倒壊してもおかしくないほど老朽化が進行しているケースも多々ある。老朽化が進んだ建築物は,周辺地域の景観を損ねることにもなり,万一倒壊した場合の危険性も否めない。

無人の空き家については,近年全国の自治体が「空き家管理条例」を定め,2014年には「空き家対策法」が成立するなど行政主導での改善が進みつつある。

地方自治体の中には,老朽危険家屋の解体・除去にかかる費用を補助するなどの制度を設けて,該当する家屋の除去を奨励しているところも出てきた。

奈良県生駒市では,解体費用の3分の1を乗じて得た額を限度額50万円として補助。大分市でも,除却に要する補助対象経費の5分の4以内の額,又は市の定める額のいずれか小さい額を,一つの敷地に関して160万円を限度に支払うとしている。

しかし,当該家屋に住み続ける場合,これらの制度では対応しきれず,今後の対策が求められている。