Valiant2005.9月号

■民間軍事会社
 冷戦終結後、米国では軍事予算の削減で、軍隊経験者が民間労働市場に流出。各地で頻発する内戦や地域紛争に対応する目的で、軍出身者が経営する民間軍事会社が急成長を遂げてきた。ある推計では、現在イラクで正規軍とともに活動する民間軍事会社は約60社、職員である外部委託兵士は2万人とも言われる。
 民間軍事会社の業務内容は、警察や軍向けの訓練所の運営、危険地域の要人保護、企業のリスク管理などだが、イラクでは後方支援のみならず実際の戦闘にも参加している。4月末の集計によると、イラクでの民間軍事会社職員の死傷者数は270人にのぼる。活動が注目されるにつれ、国家との業務契約や委託プロセスが不透明な点や、職員の身柄保証が与えられていないことなど、諸問題が論議されるようになった。

■アスベスト
 鉱物を繊維状にした石綿のことで、熱や電気を通しにくいため防火や保温などの材料や絶縁体として多方面に使われてきた。ところがアスベストを吸い込むと、胸膜などに中皮腫と呼ばれるガンの発生原因となるものができることが判明。昨年から製造および使用が全面的に禁止された。
 アスベスト製品を製造していた建材メーカーの「ニチアス」は、昨年までの29年間に従業員86人が中皮腫や肺ガンで死亡していたと公表。日本石綿協会はアスベスト製品製造会社18社で合計175人の従業員が、アスベストが原因とみられる病気で死亡していたとの調査結果を発表している。

(本誌「KEY WORDS」より抜粋)