に対応した、全面改訂版、待望の発行!
「犯罪事実」とは、犯罪構成要件に該当する具体的事実をいいますが、捜査官は、犯罪を対象に捜査することから、捜査の主な第一目標は、自ずと犯罪事実に該当する事実を認定するに足りる証拠収集ということになります。その意味でも捜査官が「犯罪事実」を理解することはとても重要なこととなります。しかし、現場の捜査官は多忙であり、多種多様な犯罪事実をしっかり理解でき、かつ、手軽・身近に扱えるようにするため、土本武司先生が執筆された「犯罪事実記載例集」はそのバイブルともいえ、コンパクトながら必要かつ十分な犯罪事実記載例集として、今日まで約37年にわたり時代に即応した改訂がなされ、その意義が受け継がれてきました。
今回、土本先生が執筆され好評を博した原点であるコンパクトながら必要かつ十分な内容を受け継ぎつつ、特殊詐欺を初めとする新たな犯罪手口を加え、さらに、裁判員裁判の傾向を踏まえた平易化の観点も踏まえつつ、小職が補訂を担当させていただきました。土本先生の執筆された原点を踏まえて、新たな犯罪手口を加えるなどした本書が、益々、捜査官を初めとする読者諸兄の実務や学習に貢献することを祈念してやみません。
令和5年6月
岡本 貴幸