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シリーズ捜査実務 第8巻 薬物犯罪
表紙

編集代表 藤永 幸治
(元東京高等検察庁検事長)

第2版編集 島根   悟
(法務省刑事局参事官)
  小多 章裕
(法務省刑事局付)
  <平成18年7月現在>

体裁 A5判358頁


 ■  改訂のポイント

薬物犯罪をとりまく新たな情勢に対応すべく全面的に内容を見直した。

平成11年に新たに制定された「組織的犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」を踏まえ改訂作業を行い、更に通信傍受についての解説を加えた。

おとり捜査に関する平成16年の最高裁判所決定をはじめ、実務の参考となる多くの裁判例を追加収録した。

平成12年に初めての裁判例があったことを受け、麻薬特例法第9条(あおり又は唆し)の罪について新たに1節を設けた。

第2版発行にあたって

本書初版が発行された平成7年当時、薬物情勢は第3次覚せい剤乱用期の到来という局面を迎えており、供給の遮断及び需要の削減の両面から、国内における薬物乱用対策及び国際協力を推進してきたところであるが、残念ながら今日に至るまでこれが終息したとの声は聞かれない。むしろ、経口使用する錠剤型の合成麻薬(MDMA)の乱用が急増するなど乱用薬物、使用方法に多様化が見られ、事態は深刻化しているといわざるを得ない。また、薬物犯罪が引き続き暴力団組織の資金源となっていること、外国人が関与する事案が数多く報告されていること等の状況を踏まえると、従来以上に組織犯罪対策という観点から薬物犯罪に厳正に対処することが求められている。
この間、平成11年に「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律」が新たに制定されたのをはじめ、薬物犯罪に関連する多くの分野で新法制定、法改正が行われている。また、コントロールド・デリバリーや通信傍受といった様々な捜査ツールを活用した事例も着実に増加している。
第2版では、こうした薬物犯罪をとりまく情勢や法制度の変化を反映した。また、最高裁判例をはじめとする多くの裁判例の集積も見られるところであり、これについても可能な限りフォローした。
本書が、薬物犯罪の撲滅、そして私たちのこの社会の健全な発展に、いささかなりとも貢献することができれば幸いである。

平成18年7月5日
第2版編集委員会