地域魅力を高める「地域ブランド」戦略

〜自治体を活性化した16の事例〜
地域間競争を勝ち抜くためのヒントがここに!
編著牧瀬 稔/板谷 和也
  • A5判
  • 304ページ
  • 定価 1,890円
  • ISBN978-4-8090-4046-7

本書の特長

  • 自治体職員並びに自治体勤務経験者を中心とした執筆人による「地域ブランド」を軸にした地域再生戦略に取り組んでいる自治体にとって役に立つ事例集です。
  • 地域ブランドに成功した、あるいは成功しつつある16の事例を、@全国へ発信するブランド、A地元を見直すブランド、B都市のイメージとしてのブランド、C自治体力を強化するブランド、の4つに分類、紹介しています。
  • 様々な行政分野に対応できるように、個別的に成功事例のポイントをわかりやすく、各地方自治体や地域でも応用のきく内容としてまとめてあります。
  • 行政職員、首長、議員はもとより、商工・観光団体など地域の各種団体、地域住民など地域の活性化を担う、すべての方々の必読書です。

はじめに

地域ブランドは手段であり、目的ではありません。そのことを勘違いしていませんか……。

地方自治体は都市間競争に勝ち抜くため、地域をブランド化するという「手段」により、地方自治体外から住民や企業などを獲得することが「目的」である。また地方自治体が地域ブランドに取組むことにより、既存の住民や企業などが地方自治体に愛着心や誇りを持ってもらうことで、住民や企業などの流出の阻止につなげることも「目的」である。

今日では、このことを認識していない地方自治体が少なくない。つまり「手段」と「目的」を履き違えているのである。そのため昨今の地方自治体の中には、地域をブランド化していくことが目的となってしまい、その結果、地域ブランドに発展性が見いだせないでいる事例が多い。

そもそもブランドの語源は、牛を放牧する際に自分の所有する牛を他の牛と区別するために「焼印を押す」(burned)として使われたといわれている。つまり本来の意味は「他との差別」であった。しかし昨今の地域ブランドは、どの地方自治体も同じようなことをしており、画一的な地域ブランドである。その結果、「地域ブランドの限界」を招いている地方自治体もある。

本書は地方自治体が他の地方自治体との差別化に成功し、ダイナミズムを導出した好事例を記してある。そのことが地域ブランドの核心である。本書で取り上げている一つひとつの事例が、読者に対して多くの示唆を与えると思っている。

2008年8月 編著者

執筆者一覧

〔編著者〕
牧瀬  稔  序章・第5章・第14章・第16章
(財団法人地域開発研究所研究部研究員)
板谷 和也 第9章・終章
(財団法人運輸調査局調査研究センター研究員)
〔著 者〕
清水 浩和 第1章・第2章
(財団法人日本都市センター研究員)
鈴木  潔  第3章・第6章
(財団法人日本都市センター研究員)
木  亨  第4章・第11章
(財団法人地域開発研究所客員研究員・立正大学非常勤講師)
三浦 祐司 第7章
(株式会社ユカ情報処理室課長)
久保 善慎 第8章
(新宿自治創造研究所研究員)
佐々木 一如 第10章
(明治大学危機管理研究センター研究員)
齋藤 正樹 第12章
(中野区政策研究機構研究員)
豊田 奈穂 第13章
(横須賀市都市政策研究所研究員)
杉尾 正則 第15章
(直方市総合政策部総務課)

目次

  1. はじめに
  2. 序 章 地域ブランドを正しく理解する視点
  3. 第1部 全国へ発信するブランド
    1. 第1章 ブランドと伝統を守るための成功物語
            ― 埼玉県草加市 ―
    2. 第2章 「ぶらぶら歩く」まちブランド戦略
            ― 長崎県長崎市 ―
    3. 第3章 自然環境と調和した高尾山の観光戦略
            ― 東京都八王子市 ―
    4. 第4章 醤油を中心としたまちづくり
            ― 石川県金沢市(大野町)―
  4. 第2部 地元を見直すブランド
    1. 第5章 芸術に特化した街づくりによる交流人口の拡大
            ― 新潟県十日町市・津南町 ―
    2. 第6章 都市内観光による地域アイデンティティの創出
            ― 千葉県浦安市 ―
    3. 第7章 「震央の地」ブランドで復興に活力を注ぐ
            ― 新潟県川口町 ―
    4. 第8章 「夜逃げの町」から「有機農業基準の町」へ
            ― 宮崎県綾町 ―
  5. 第3部 都市のイメージとしてのブランド
    1. 第9章 「交通」から街を変える
            ― 富山県富山市 ―
    2. 第10章 「安全安心なまちづくり」への活動を通じたコミュニティの活性化
            ― 東京都三鷹市 ―
    3. 第11章 地域イメージの形成
            ― 長野県小諸市 ―
    4. 第12章 郊外住宅地形成に見る地域ブランド
            ― 東京都大田区(田園調布)―
  6. 第4部 自治体力を強化するブランド
    1. 第13章 地域ブランドで人口争奪競争に挑む
            ― 神奈川県横須賀市 ―
    2. 第14章 市民一人ひとりが主役となる国際交流都市
            ― 埼玉県戸田市 ―
    3. 第15章 自治体シンクタンクと地元学で地域の美しさを見出し、地域ブランド戦略に挑む
            ― 福岡県宗像市 ―
    4. 第16章 市町村合併後の地域ブランドの展望を考える
  7. 終 章 16事例から考える地域ブランド戦略の今後の方向性
  8. おわりに
関連商品

政策形成の戦略と展開

議員が提案する政策条例のポイント

政策開発の手法と実践