>> 東京法令トップページ >>警察・司法 >> 新・交通事故捜査の基礎と要点
関連分野   警察・司法/交通  

改訂

新・交通事故捜査の基礎と要点

編著/監修
清水 勇男・佐藤 隆文・日下 敏夫
体    裁
A5判  496ページ
本体価格+税
2,800円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-1317-1
C3032 \2800E
発 行 日
平成26年11月1日
内容見本を見る

お買い物かごに入れる

交通事故の捜査・処理に従事する警察官、検察官及び検察事務官など関係者を対象にした手引書。これまで「黄色い本」として親しまれてきた定番書が装いも新たに発刊。

長年交通事故捜査に従事してきた著者二人が、初めて交通事故の捜査に携わった際に感じた「こんな本があればよかった」を形にしたのがこの本です。

最近の交通事故で問題になっている事例(飲酒運転の罰則強化、自動車運転過失致死傷罪)についても、その問題点、捜査方法に触れるなど、アップ・ツー・デートな内容。


本書の特色

  • 「第1 総説」では、「自動車運転死傷行為処罰法」制定の概要を解説。
  • 「第4 交通事故に伴う悪質事犯と捜査上の留意点」では、新法「自動車運転死傷行為処罰法」の
    • 第2条 危険運転致死傷罪6類型
    • 第3条 危険運転致死傷罪の類型・態様
    • 第4条 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
    • 第6条 無免許運転による加重
    • などについて大幅に加筆!
  • 巻末の「交通事故犯罪事実要点記載例」では、危険運転致死傷など、「自動車運転死傷行為処罰法」に合わせて多数の記載例を加筆・修正!

改訂版はしがき

今回の改訂は、主として平成26年5月20日「自動車の運転により人を死傷させる行為の処罰等に関する法律」が施行されたことに伴うものである。

自動車の運転による死傷事件は、件数としては減少傾向にあるものの、悪質・重大事件は依然として後を絶たない。

刑法は、平成13年に危険運転致死傷罪を設けて罰則を強化し、同16年の改正ではその罰則をさらに強化したが、捜査・処理の現場では、同罪の構成要件に該当しないとして軽い自動車運転過失致死傷罪の適用にとどめざるを得ない悪質事例が多発し、処分の不均衡を指摘する声が近年次第に高まってきていた。

新法が施行されたことによって、従来は刑法に規定されていた自動車運転による死傷事件は全て新法の対象となり、従来の自動車運転過失致死傷罪(刑法211条2項)は削除されて新法5条の過失運転致死傷罪に移行し、危険運転致死傷罪(刑法208条の2)も同様に削除されて新法2条に移行した上、新たに通行禁止道路の通行による事故類型が同罪に追加された。その他、新法3条では、アルコール、薬物又は一定の病気等の影響により正常な運転が困難な状態であるのに自動車を運転して死傷事故を起こした場合には刑を加重するものとして、悪質・重大事件へのきめ細かい対応と厳正な処罰の実現を目指している。

本書においては、新法施行による改訂部分は主として佐藤隆文氏が担当し、事故捜査における基礎自動車工学と自転車事故についての改訂は主として日下敏夫氏が担当した。

私(共著者代表)は、旧版の初版(平成7年3月発行)以来、ほぼ19年半にわたり本書の著述、改訂等に携わってきたが、今後は佐藤隆文氏(現・法務省法務総合研究所研修第一部長)に後任をお願いして私の役割を引き継いでもらうことにし、本改訂版の上梓を最後に退任させていただくことにしました。長年にわたる読者並びに関係各位のご支援・ご協力に深く感謝いたします。

法務省刑事局、最高検察庁並びに警察庁の所管部の皆様におかれましては、これまでと同様、温かいご指導・ご支援を賜りたく、どうかよろしくお願い申し上げます。

平成26年10月

共著者代表 清水 勇男


はしがき

人に歴史があるように、本にもまた歴史がある。

この本の旧版『交通事故捜査の基礎と要点』が発行されたのは17年前の平成7年3月で、まだ書式が縦書きの時代であった。

解説部分と書式部分の割合をほぼ等分にし、コンパクトで使いやすい実務書の創出を目指した旧版は、当時の関東管区警察局長・賀来敏氏並びに東京区検察庁上席検察官・池田茂穂氏の温かいご推薦を頂いて刊行され、その装丁の色から「黄色い本」として広く親しまれるようになった。

旧版はその後、関係法令の大きな改正があるごとに改訂が重ねられ、改訂増補版(平成12年11月)、新訂版(平成15年1月)、全訂新版(平成17年9月)、同改訂版(平成19年10月)が刊行されたが、その後、発行元の令文社が解散して全国の書店の棚から「黄色い本」が消え、続刊が危ぶまれる事態に陥った。しかし、有り難いことに、著名な複数の出版社が争って継承への名乗りを上げてくれ、慎重に検討した結果、実績と定評のある東京法令出版に委嘱することに決めた。同社では、令文社当時と同じく装丁を黄色のままとし、続刊、重版にも耐えられるよう新たに組版を起こしてくれた。こうして平成20年11月、同社から「全訂新版改訂2版」が出版された。当時は大きな法令改正の動きがなかったので、しばらくは同版の継続で対応できると考えていた。

しかしその後、自転車による交通事故が増加の一途をたどって社会問題化し、捜査の現場でも対応に苦慮する事態が発生するようになった。改めて旧版の内容を点検した結果、自転車事故についての解説・書式が十分でなく、実務の要請に応えていないことが分かった。また、旧版に添付した「自動車の時速・秒速換算表」等の各種参考資料も数値・数式等がやや古くなっていることに気付いた。次の改訂では、自転車事故と基礎的な自動車工学に関する記述を充実させ、添付資料も一新しなければならないと改訂の決意を固めた矢先、共著者の岡本弘氏から高齢等を理由に引退の申出があった。岡本氏の辞意は固く、残念ながら受け入れざるを得なかった。

そこで岡本氏の後任には、交通事故の解析・鑑定に卓越した技能を有し、数多くの交通鑑定を手がけている元副検事の日下敏夫氏をおいて外にはないと考え、経緯を説明して懇請した結果、快諾をいただいた。

日下氏には、主に自動車工学・鑑識関係と自転車事故についての記述を中心にお願いした。また、この機会に全編を詳細に点検して補筆し、正確で分かりやすい表現になるよう工夫した。こうして共著者も代わり、内容も一新したことから、本書を『新・交通事故捜査の基礎と要点』として世に送り出すことにしたものである。

この新版が旧版と同じく「黄色い本」として読者に親しまれ、ハンディーな実務書として末永く活用されることを願ってやまない。

平成24年4月

共著者代表 清水 勇男


目次

  • 第1 総 説
    •  
      • [1] 交通事故捜査の特殊性
      • [2] 交通事故の刑事責任と立法の変遷
      • [3] 主要な「道路交通法の一部を改正する法律」の概要
      • [4] 過失犯の成立要件
      • [5] 過失犯の成立を否定する事由
      • [6] 過失の種類
  • 第2 事故捜査における基礎自動車工学
    •  
      • [1] はじめに
      • [2] 交通事故解析に使用する単位、計算式等
      • [3] 自動車の基本性能
      • [4] 自動車の分類
      • [5] ブレーキ装置
      • [6] トランスミッション
      • [7] タイヤの種類等
      • [8] 特殊車両
      • [9] 自動車の安全装置
      • [10] 交通事故捜査における「EDR」、「ドライブレコーダー」等のデータ・映像活用
      • [11] 諸元(車両寸法)
      • [12] スリップ痕跡の解析
      • [13] 金属等による路上痕跡の解析
      • [14] 制動の意義
      • [15] 急制動措置を講じた車両の制動前の速度の推定
      • [16] タイヤと路面間の摩擦係数(μ)
      • [17] 衝突時の歩行者等の運動と創傷
      • [18] 運転における知覚と反応
  • 第3 交通事故捜査における証拠収集と事実の認定
    •  
      • [1] 交通事故の証拠の特異性
      • [2] 警察官の作成する書証とその作成要領
      • [3] 実況見分調書の重要性及び関連事項
  • 第4 交通事故に伴う悪質事犯と捜査上の留意点
    •  
      • [1] 無免許運転
      • [2] 酒気帯び運転と酒酔い運転
      • [3] 危険運転致死傷罪
      • [4] 救護・報告義務違反
  • 第5 事故の態様別にみた捜査上の留意点
    •  
      • [1] 追突事故
      • [2] 交差点(主に直進)事故
      • [3] 左折・右折事故
      • [4] 横断歩道上・外の事故
      • [5] その他進行中の事故
      • [6] その他特殊形態の事故
  • 第6 自転車事故
    •  
      • [1] 自転車の定義
      • [2] 自転車の分類
      • [3] 自転車の構造等
      • [4] 走行速度
      • [5] 自転車の制動力
      • [6] 自転車の効用等
      • [7] 法が規定する自転車の通行方法等
      • [8] 自転車による交通事故
      • [9] 保険
  • 第7 自動車運転過失事件の犯罪事実構成と事実記載例
    •  
      • [1] はじめに
      • [2] 自動車運転過失事件と一般刑事事件の犯罪事実記載例の比較
      • [3] 犯罪事実記載用語について
  • 〔交通事故犯罪事実要点記載例〕
    •  
      • 交通事故形態別分類表一覧(目次早見表)
      • 交通事故形態別分類表細目次(A11〜H71)
  • 参考資料

関連商品
交通実務六法
交通警察実務研究会 編集
A5判
2368ページ
本体価格+税4,200円+税
道路交通法解説
道路交通執務研究会 編著
野下 文生 原著
A5判
1456ページ
本体価格+税4,600円+税
図解 道路交通法
道路交通法実務研究会 編
A5判
648ページ
本体価格+税2,500円+税
緊急自動車の法令と実務
交通法令研究会緊急自動車プロジェクトチーム 編
A5判
164ページ
本体価格+税1,200円+税
最新判例77選
最新判例77選―交通警察―
江原 伸一 著
A5判
176ページ
本体価格+税1,400円+税