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まんが 事例でわかる火災調査

編著/監修
調査実務研究会
体裁
A5判  304ページ
定価
2,420 円(消費税込み)
本体価格+税
2,200 円+税
ISBN
ISBN978-4-8090-2306-4
C3030 \2200E
発行日
平成22年6月1日
初版発行
内容現在
平成22年5月1日
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本書の特長

火災の覚知〜書類作成まで、火災調査の基礎をこの一冊で網羅。架空の消防署、K市消防局湾岸消防署を舞台に繰り広げられる火災調査員たちの熱き業務に密着。「まんが」で導入部分を示し、「解説部分」で実務のポイントやコツを詳細に解説。まんが部分を読むことで現場のイメージがつかめるため、火災調査の経験がない職員に最適。また、部下指導を行うベテラン職員にも、ご自身の知識の再確認用や指導用としてもお使いいただけます。


はしがき

消防の業務は、災害現場活動のように関係法令やマニュアルを確認しながら対応することができない活動のほか、火災調査における実況見分のようにやり直しのできない業務を専管業務としており、我々消防職員はそれらの業務についてそれぞれの現場で間違いのない対応をするため、関係法令、過去の事例、対応の原則等について研究するほか、基本訓練、想定訓練等により日々研鑽しているところです。

火災調査業務におきましては、書類の作成、損害額の計算は、「調査書類の書き方」「損害額の算出」等に関する文献を読みながら作成することができますが、実況見分は、「現場の見方」の本を読んでいても、一件ごとに状況の違う火災現場において実況見分の進めかたを間違えたり、先入観を持って実施するとやり直しができないことから、大切な証拠となる客観的事実を見逃すほか証拠品を紛失するなどして、火災の原因究明に大きく影響を与えることになりかねません。

そこで、本書は、団塊世代のベテラン職員が大量退職する背景もあり、火災発生から火災調査書類作成までにおける一連の火災調査について、消防職員として最低限知っていなければならない、組織的に火災調査を実施する基礎的な一例をとりあげています。

そして、特に実況見分を重点にし、火災調査の経験の少ない職員でも気軽に読めて理解しやすくするために、まんがを取り入れ、文章だけでは思い浮かばない現場の光景を示しながら、その場面ごとの注意事項について解説を行い、火災調査技術の伝承に少しでも役立つ内容としています。

また、第6章には、『月刊消防』(東京法令出版)に読者の皆様から寄せられた火災調査に関する質問に対して、当研究会が説明したことを質問の内容ごとに分類して載せましたので、執務の参考にしていただきたいと思います。

火災の調査結果は、事後の火災予防に活かすほか、火災原因の判定結果によっては関係者の人生を大きく変えてしまうこともありますので、本書で火災調査の基礎を確認して、さらに、自らの経験などから火災調査技術を向上させていただくことを望みます。

最後に、全国の消防職員が苦労している火災調査に関する内容を取り上げていただいた本書の企画担当者に、この場を借りて御礼申し上げます。

平成22年6月

調査実務研究会


目次

  • はしがき
  • 第1章 火災調査の初動
    • 消火活動の状況確認
      • 1-1  消火活動中から始まる火災調査
      •     メール配信システムについて
      • 1-2  施錠の確認について
      •     消防機関と捜査機関の取り扱う火災について
      • 1-3  消火活動中の収容物等の移動について
      •     現場保存場所の警戒について
      •     火災による負傷者について
      • 1-4  消火損害について
      •     水損の確認の注意事項について
      • 1-5  焼けの強弱を左右する原因について
    • 消火活動中の行為で火災調査に必要なこと
      • 1-6  火災調査の方針
      • 1-7  警察官と消防吏員の協力について
      • 1-8  火災調査の方針について
      • 1-9  防火対象物の確認について
      •     損害調査について
      • 1-10 立入検査証について
      • 1-11 火災調査に使用する資機材について
      •     デジタルカメラについて
      • 1-12 捜査機関と消防機関の情報の共有について
      • 1-13 火災発見者の発見位置について
      •     質問調書の協力の依頼について
  • 第2章 実況見分
    • 写真の撮り方・現場での計測等
      • 2-1  実況見分の立会人について
      •     類焼棟の見分について
      • 2-2  現場調査本部について
      •     高所からの見分と写真撮影の注意点について
      •     外周部の見分の注意点について
      •     マイコンメーターについて
      • 2-3  図面作成の注意点について
      • 2-4  現場の状況の分かる立会人について
      •     実況見分立会人の安全管理について
      • 2-5  焼き残存物の搬出と整理について
      • 2-6  発掘の順番について
      •     発掘の注意点について
      • 2-7  定着物の見分について
    • り災届出とり災証明の説明
      • 2-8  り災届出(申告)について
      • 2-9  り災者の負担軽減について
      •     り災証明に関するチラシの配布について
      •     焼け跡の整理について
      • 2-10 り災証明申請書について
    • 実況見分(発掘)
      • 2-11 打消しのための見分について
      • 2-12 ガステーブルの見分方法について
      •     ガステーブルの安全装置について
      • 2-13 矢印を入れた写真撮影について
      • 2-14 位置関係の測定について
      • 2-15 ガステーブルのメーカーについて
      • 2-16 立会人の指示説明について
      • 2-17 バーナーヘッドの確認について
      • 2-18 物品の保管について
      • 2-19 先入観について
      • 2-20 復元の注意点について
    • 実況見分の結果
      • 2-21 捜査機関の意見について
      • 2-22 実況見分の後の説明について
      •     消火活動の説明について
      • 2-23 火災の原因の説明について
      • 2-24 再確認
  • 第3章 火災原因調査の方向性
    • 調査方針
      • 3-1  実況見分の結果報告について
      • 3-2  調査結果の確認について
      • 3-3  火災調査の方向について
      •     玄関の鍵と室内の確認について
      •     鑑識
      • 3-4  調査のポイントの説明について
      • 3-5  写真の選定について
      •     実況見分調書に添付する写真について
      • 3-6  状況図について
      •     図面作成の指示について
      • 3-7  文言の統一について
      • 3-8  上司の指示について
      •     火災状況見分調書の作成の説明について
    • り災証明
      • 3-9  市民の立場で応接(り災証明の手続き)
  • 第4章 質問調書
    •  
      • 4-1  質問調書の録取について
      •     任意の供述について
      •     プライバシーの録取について
      • 4-2  供述人の署名について
      •     質問調書の訂正について
      • 4-3  質問調書の目的と記載(録取)項目
      •     質問調書に添付する図面について
  • 第5章 火災調査書類の作成
    • 実況見分調書
      • 5-1  実況見分調書について
      • 5-2  実況見分調書の禁止用語
      •     火災状況見分調書
      • 5-3  火災状況見分調書について
    • 損害調査書
      • 5-4  損害調査結果の活用について
    • 火災原因判定書
      • 5-5  火災原因判定書について
    • 火災調査書
      • 5-6  火災調査書について
      •     出火原因分類に当たっての留意事項
      • 5-7  質問調書の複数回の録取
      •     決裁区分・処理区分
      •     予防行政と警防行政への活用
  • 第6章 火災調査Q&A
    • 1 実況見分に関するQ&A
      • 1  出火室の焼き残存物の屋外搬出
      • 2  禁止用語
      • 3  火元者への説明
      • 4  便宜上の方位
      • 5  実況見分調書の記載要領
      • 6  図面の書き方
      • 7  ガステーブルの見分要領(前後左右)
      • 8  焼損した機器の大きさ
      • 9  発掘の床出し
      • 10 現場の見方2件(たばこ)
      • 11 実況見分調書の書き方
      • 12 実況見分後の関係者への説明
    • 2 質問調書に関するQ&A
      • 1  若者言葉等
      • 2  QA方式
      • 3  専門用語
      • 4  第一発見者
      • 5  質問調書供述の矛盾
      • 6  質問調書に添付する図面について
    • 3 火災調査書類に関するQ&A
      • 1  公文書におけるマークの使用
      • 2  出火と着火の違い
      • 3  覚知時間
      • 4  帰納法等
      • 5  原因判定書と実況見分調書
      • 6  出火前の状況・出火時刻の推定
      • 7  火災原因判定(実験)
      • 8  推定と判定
      • 9  火災調査書類に使用する文言
    • 4 損害調査に関するQ&A
      • 1  車両の焼損程度
      • 2  損害額の算定
      • 3  骨董品の損害額
      • 4  死傷者の損害額
      • 5  車両の損害額
      • 6  建築中の建物の損害額
    • 5 火災の定義等火災報告に関するQ&A
      • 1  放火と放火の疑いプラス警察の捜査
      • 2  初期消火の効果の有無
      • 3  爆発現象の事例
      • 4  たき火の解釈
      • 5  共同住宅の扱い
      • 6  火遊びの定義
      • 7  連続放火の件数
      • 8  経過(爆発)
      • 9  ボディカバーの質問
      • 10 短絡とスパーク
      • 11 ガス風呂の火災の経過
      • 12 初期消火(水道ホースと消火器)
      • 13 建物の定義
      • 14 火災による死者の取扱
      • 15 り災世帯と人員
      • 16 防火対象物の区分
      • 17 車両火災の定義(1)
      • 18 車両火災の定義(2)
      • 19 火災報告に関すること
      • 20 火災種別(放火自殺の場所)
      • 21 火災の定義2問
      • 22 り災程度
      • 23 建物火災の「建物」の定義
    • 6 その他火災調査に関するQ&A
      • 1  低圧コンデンサ
      • 2  報道機関への説明
      • 3  り災申告
      • 4  電気機器メーカーへの問い合わせ
      • 5  監視カメラの扱い
      • 6  り災届出
      • 7  ぼや火災の火災調査書類の必要性
      • 8  防ぎょ活動中の質問
      • 9  原因の判定(ストーブ)
      • 10 原因の判定(アイロンの形の焼け焦げ)
      • 11 火災調査の警防への活用

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