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地域デビュー指南術

〜再び輝く団塊シニア〜

編著/監修
松本すみ子
体    裁
A5  272ページ
本体価格+税
1,900円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-4057-3
C0036 \1900E
発 行 日
平成22年7月6日
初版発行
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本書の特長

  • リタイア世代を地域に導きたい自治体・行政への提案事項が満載。
  • 市民が地域へ再び関わりを持ちデビューする、その一歩を後押しする具体的事例。
  • この本で団塊シニアが再び輝き、次代のよき慣行として引き継がれることを願って!

はじめに

団塊世代の調査・研究・分析に取り組み始めて10年以上が経った。会社を設立した2000年当時は、周りに仕事の内容をほとんど理解してもらえなかった。「介護か福祉関係の仕事?」とか「せっかく起業するならもっと他の仕事があるだろうに」などと言われたものだ。

それでも続けてきたのは、日本の中で最も人口が多く、社会的な影響を与え続けてきた人たちが、これから何を考え、どう行動し、どのように歳を重ねていくのかを見ていたいという思いがあったからだ。もしかして、この世代によって、今までの日本にはなかった何かがまた始まるかもしれない。それは後世にバトンタッチできる何かかもしれない。そんな役割を果たせる世代であってほしい。これは団塊世代とほぼ同年代の私自身の願望でもある。

そうこうしているうちに、団塊世代の定年退職が近くなり、2007年問題などと社会的にクローズアップされるようになった。資産や退職金をあてにしたマーケットが活性化し、行政は地域回帰に伴う本格的な対策に取り組み始めた。

ただ、その注目のされ方には違和感があった。本当に巷で言われているような人たちなのだろうか。マーケットは都合のいい表層部分だけをみて期待しているのではないか。行政は高齢化ということで、必要以上にマイナス要素と見ていないか。

しかし、いろいろと言われている割には、団塊世代の多くは肝心なところで自らを語らず主張しない。まるで他人事のようだ。だから、誰かが正しい姿を伝える必要がある。また、団塊世代にも会社や仕事に依存せず、もっと自由で広い視野に立った豊かなセカンドステージを考えてほしい。これが私の仕事のメインテーマだ。

団塊世代が全員60歳を超えた今、マーケットの関心は衰えているように見える。しかし、本文にも書いたように、行政・自治体は今後も団塊世代への取り組みから逃げることはできない。高齢化がさらに進むことで、むしろより重要なテーマになっていくだろう。

ところで、団塊サラリーマンの多くは60歳で定年退職と共に現役を退いたが、まだ65歳からの高齢者には達していない。定年が65歳以上であれば、退職後すぐに年金をもらえるシニアだとあきらめもつくのだが、心理的にも経済的にも、なんとなく中途半端な状況に置かれている。そして、多くの人たちが定年退職は理不尽だと思っている。まだ若いつもりの心と体を持て余しているのが現状だ。このエネルギー・意欲・経験・知恵を日本は無駄にしている。もったいない話だ。

一方、地域では行政・自治体の手の回らない分野が増えて四苦八苦している。であれば、力と知恵を持て余している人たちの活躍の場は地域にあるのではないか。昔から、「立っている者は親でも使え」という。「活用する」という言葉を使うことを敬遠などせずに、リタイア世代をどんどん使ってほしい。彼らもそれを望んでいるのではないだろうか。

しかし、リタイア世代を活用する方法を確立している行政・自治体はほとんどない。最初から最後までお世話しなければならない対象であり、それには補助金や報酬に高額な予算が必要だと考えてしまう。その考えはお年寄り扱いであり、“やってあげる”目線である。それではリタイア世代も甘えてしまう。

団塊世代の場合はまだ若く、会社での実務経験も忘れてはいない。そうした人たちと共に地域の問題について考え、活動し、解決していく場を作ってはどうか。自らの問題と理解した人たちは率先して動くだろう。それをサポートすればいい。そして、自治体は彼らを動かせる人材を育成してほしい。

時代は今、「年金兼業生活」に入った。この長寿の時代、60歳くらいで隠居なんかしていられない。コミュニティビジネスなどで、小遣い程度でもいいから収入を得ることができれば、個人も地域もハッピーなはずだ。

団塊世代にはこの本のタイトルのように「再び輝く団塊世代」であってほしい。そして、その生き方がリタイア世代のよき慣行として次の世代に引き継がれてほしいと思っている。


目次

  • はじめに
  • 本書を読み解く7つの特色
  • 第1章 団塊世代の真実
    • 1 2007年が過ぎて
      • 団塊マーケットの失敗
    • 2 働くことの意味と意識
      • やっかいな生涯現役志向
      • 定年後の働き方の選択肢
      • 高年齢者雇用に熱心な地方の中小企業
    • 3 未知なる世界
      • 社会貢献型ビジネスへの関心
      • 地域デビューのハードル
      • 団塊世代はITで地域回帰をめざす
      • 定年後遺症リハビリ期間はそろそろ終わる
      • 「私の人生」豊かさ度チェック
    • 4 団塊世代の人間関係
      • 夫婦関係の見直し
      • 高齢単身者の増加
      • 団塊世代と家族
      • 幸せを実感できない「幸福のパラドックス」
  • 第2章 行政の団塊世代対策
    • 1 団塊世代はどこにいるのか
      • 都市部へ大移動した団塊の世代
      • 都心にもある「限界集落」
      • 団塊世代はどこに行くのか
      • 他地域での変化に富んだ生活願望
      • リタイア後に住みたい土地の条件
    • 2 団塊世代争奪戦と地域回帰推進事業
      • 団塊世代の影響力「経済への波及効果」
      • 財政白書づくりに熱心に取り組むシニア
      • 移住・定住促進プログラム〈北海道の場合〉
      • 移住・定住促進プログラム〈特色ある取り組み〉
      • 移住・定住促進プログラム〈空き家バンク〉
      • 移住・定住促進プログラム〈働く場の提供〉
      • 都市型農園の充実拡大
      • 滞在型市民農園「クラインガルテン」
      • 欠落している女性活用の視点
    • 3 団塊世代地域回帰支援事業
      • 団塊世代支援事業が3年で終わる不思議
      • 長期的に取り組む東京都・足立区
      • 現実を見て取り組む自治体
      • 地域デビュー講座「おとうさん、お帰りなさいパーティー」
      • 50歳、60歳を契機に「盛人式」
      • 新しいスタイルの生涯学習講座
      • 大学・研究機関と連携する生涯学習講座
      • 地方の国立大学とJTBが組んだ「シニアカレッジ」終了
      • 活動への支援
      • 新しい活動支援システム「ポイント制度」
      • 就業への支援
      • 起業・創業支援と協働事業
      • 自治体の施設をカフェやレストランに!
      • 啓蒙誌の発行
      • ホームページでの情報提供
      • 120以上の市の事業に市民が参加
    • 4 国と関連団体・研究機関の取り組み
      • 政府のNPOへの注目度と活用策
      • 政府外郭団体・民間研究組織の取り組み
  • 第3章 特色ある市民活動
    • 1 一人の熱意が周囲を動かす
      • ★ 市民映画館「深谷シネマ」
      • ★ 退職後に仲間と立ち上げた“コミュニティワイナリー”「東夢」
      • おばあちゃんたちの葉っぱビジネスが成功した理由
    • 2 愛する町の再生・まちづくりに貢献
      • ★ 近代産業遺産を観光資源に「桐生再生」
      • 地元の人たちが企画する「着地型観光」
      • ★ 地域交流の場・コミュニティカフェを提供する「よろずや余之助」
    • 3 シニアだからできる福祉・介護活動
      • ★ 車好きが選んだ介護タクシーという仕事
      • ★ 男が始める男のための介護サービス
      • 「松渓ふれあいの家」
      • ★ 仲間を募ってつくりあげたシニアマンション「シニア村」
      • 元鉄鋼マンが創り上げた人気の老人ホーム
    • 4 市民と行政のコラボレーション
      • ★ シニアの地域参加を促す
      • 「シニアSOHO普及サロン・三鷹」
      • ★ シニア市民取材記者「かわさきシニアレポーター」
      • 都心に住むわが町出身者を応援隊に!
    • 5 経験と知恵を活かす場を自らつくる
      • ★ シニアと仕事のマッチングシステム「シニア大樂」
      • ★ 築地の魅力を正しく伝える
      • 「築地魚河岸ツアーガイド」
    • 6 定年後は家族と共に働く
      • ★ 夫婦でふるさとに地ビール醸造所とパン工房
      • ★ 定年後の農業移住を実現した「たんぽぽ堂」の夫婦
      • 定年退職後に移住、地域活性化に取り組む
    • 7 ボランティア精神が成し遂げること
      • ★ クラシック演奏会を学校に出前する
      • 「子どもに音楽を」
      • ★ “庶民の生きた証”を集めた「個人史図書館」
      • シニアがシニアを支援する資格
  • 第4章 自治体と団塊世代の今後
    • 1 団塊世代を積極的に“活用”せよ
      • 町長の呼びかけで約140人の町民が集合!
    • 2 情報は的確に届いているか
    • 3 リタイア世代にとっての協働事業
    • 4 社会福祉協議会とNPO
    • 5 シニアにもほしいインキュベーション施設
    • 6 団塊シニアを中心にしたまちおこし
      • 可能性1:シニアの住まいから考えるまちづくり
      • 理想の住まいはドラマ「ちゅらさんの家」
      • 可能性2:住民参加でユニバーサルデザインなまちづくり
      • 可能性3:シニアが働くまちづくり
      • 可能性4:シニアが文化を発信するまちづくり
      • 「フットパス」による市民協働のまちづくり
    • 7 自治体と大学の連携
      • 団塊世代の大学教授がつくった地域サロン
    • 8 自治体と企業との連携
      • 都内に広がる新聞販売店との提携

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