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二訂版

矯正職員のための法律講座

編著/監修
西田 博 編著
大橋 哲, 内藤 晋太郎, 中田 昌伸, 林谷 浩二 著
体    裁
A5  416ページ
本体価格+税
2,800円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-5112-8
C3032 \2800E
発 行 日
平成29年2月15日
二訂版発行
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本書の特長

  • 刑法、刑訴法、その他矯正職員の業務に関連する法律に的を絞り、刑事収容施設法との関連を踏まえて簡潔に解説
  • 適正な業務執行のためのポイントや重要判例を随所に織り交ぜ、実務に即して解説
  • 図表・チャート等を用いて、分かりやすく解説
  • 二訂版では、刑の一部執行猶予制度の開始を始めとする近時の刑事司法分野の動きを反映

はしがき

平成15年に「行刑改革会議」から提言をいただいて10年が経った。その間,矯正を取り巻く状況は大きく変化してきた。我々の業務の基本となる法制度については,明治41年以降100年近く我が国の行刑の基本法であった監獄法が改正されて刑事収容施設法が施行され,平成15年には国際受刑者移送法が施行されて,受刑者移送条約締約国との受刑者移送が実施されるようになっている。そして,「少年矯正を考える有識者会議」の提言を踏まえた少年院法の改正も行われようとしている。

我々の業務に深く関連する関係法令もこの10年間で大きく変化している。平成21年には裁判員裁判が導入され,刑事裁判に大きな変化がもたらされた。刑法では,有期懲役刑,禁錮刑の上限の引上げ,窃盗罪に選択刑として罰金刑の追加などいくつかの改正が行われており,刑事訴訟法においても,犯罪被害者等の権利利益保護に関する改正や殺人などの公訴時効の撤廃などの改正が行われている。また,少年法では,少年院送致の対象年齢をおおむね12歳以上とするなどの改正が行われ,更生保護の分野でも,旧犯罪者予防更生法と旧執行猶予者保護観察法を整理・統合し,更生保護法が新たに制定されたところである。

このように,刑事司法分野は,社会情勢の変化に伴って大きく変動しており,我々の業務もこれらに対応して様々な措置を適切に行うことが求められている。しかしながら,これまで,我々の業務を取り巻く諸法令について,業務に関係する分野に的を絞って簡潔に記述した基本書がなく,矯正職員に対する各種研修の実施等において困難を来すことが多くあった。本書はこういった困難を少しでも解消すべく,矯正職員として知っておくべき関係法令の該当箇所について解説を試みたものである。関係する法令や該当箇所は数多くあるため,全てを網羅し,しかも簡潔に分かりやすく記述することは難しい作業ではあったが,できる限り,幅広い分野について初学者にも分かりやすく記述するように努めたつもりである。

「矯正は人なり」との言葉があるように,矯正は職員が財産であり,職員一人ひとりが法令に従って適正に業務を遂行することにより,矯正行政の責務が果たされている。本書が,矯正の現場施設で日々の業務に精励している職員の関係法令に対する理解を更に深め,自信を持って業務に当たるための一助となれば幸いである。

平成26年2月1日

法務省矯正局長 西 田  博


目次

  • 第1章 刑法総論
    • 第1 罪刑法定主義
      • 1 罪刑法定主義の意義
      • 2 法律主義
      • 3 遡及処罰の禁止
      • 4 絶対的不確定刑の禁止
      • 5 類推解釈の禁止
      • 6 刑罰法規の明確性
    • 第2 犯罪の成立要件
      • 1 犯罪の法律的意義
      • 2 犯罪の成立要件
      • 3 構成要件該当性
      • 4 違法性
      • 5 責任(有責性)
      • 6 処罰条件と処罰阻却事由
    • 第3 不作為犯
      • 1 不作為の意義
      • 2 真正不作為犯と不真正不作為犯
      • 3 不作為犯の作為義務
      • 4 不作為犯の実行行為
      • 5 不作為犯と因果関係
    • 第4 違法性阻却事由
      • 1 違法性阻却事由の意義
      • 2 違法性の本質
      • 3 正当行為
      • 4 正当防衛
      • 5 緊急避難
      • 6 被害者の承諾
    • 第5 責任能力
      • 1 責任能力の意義
      • 2 心神喪失・心神耗弱について
      • 3 原因において自由な行為
      • 4 責任年齢
    • 第6 故意・過失
      • 1 故意・過失の趣旨
      • 2 故意
      • 3 過失
      • 4 業務主処罰規定(両罰規定)と責任主義
    • 第7 未遂犯
      • 1 未遂の意義
      • 2 実行の着手
      • 3 着手未遂と実行未遂
      • 4 未遂による刑の減軽
      • 5 中止犯
    • 第8 共同正犯
      • 1 共犯の概念
      • 2 共同正犯
      • 3 共謀共同正犯
      • 4 承継的共同正犯
      • 5 過失の共同正犯
      • 6 間接正犯
    • 第9 教唆犯と幇助犯
      • 1 教唆犯と幇助犯の意義
      • 2 共犯の従属性
      • 3 教唆犯
      • 4 幇助犯
    • 第10 身分犯
      • 1 身分犯の意義
      • 2 共犯と身分
    • 第11 刑罰の本質
      • 1 刑罰の意義
      • 2 刑法理論と刑罰
      • 3 応報刑論と目的刑論
      • 4 刑罰と保安処分等
    • 第12 刑の種類
      • 1 刑の種類
      • 2 受刑者の権利又は資格の制限等
      • 3 刑罰と他の行政上の罰等との関係
      • 4 主刑と付加刑
      • 5 刑の軽重
    • 第13 死刑
      • 1 死刑制度の概要
      • 2 死刑に関する憲法判断
      • 3 死刑の判断基準
      • 4 死刑の存廃について
    • 第14 自由刑
      • 1 自由刑の概要
      • 2 自由刑における拘置の場所
      • 3 自由刑の刑期の計算
      • 4 自由刑の執行及び停止
      • 5 自由刑に関する問題
    • 第15 不定期刑
      • 1 不定期刑の意義
      • 2 少年法における不定期刑
    • 第16 罰金と科料
      • 1 罰金及び科料
      • 2 労役場留置
    • 第17 刑の執行猶予
      • 1 刑の執行猶予の意義
      • 2 刑法25条1項の刑の全部の執行猶予
      • 3 刑法25条2項の刑の全部の執行猶予(再度の執行猶予)
      • 4 保護観察
      • 5 刑の全部の執行猶予の取消し
      • 6 猶予期間経過の効果
      • 7 刑法上の刑の一部執行猶予制度について
      • 8 薬物法上の刑の一部執行猶予制度について
    • 第18 仮釈放
      • 1 仮釈放の意義
      • 2 仮釈放の要件
      • 3 仮釈放の手続及び取消し等
      • 4 仮出場
      • 5 矯正・更生保護の取組
    • 第19 刑罰の適用
      • 1 刑罰の適用
      • 2 法定刑・処断刑・宣告刑
      • 3 処断刑の決定
      • 4 宣告刑の決定
    • 第20 科刑上の一罪と併合罪
      • 1 問題の所在
      • 2 科刑上一罪
      • 3 併合罪
    • 第21 累犯
      • 1 累犯の意義
      • 2 再犯の要件
      • 3 再犯加重
      • 4 三犯以上の累犯
    • 第22 監置
      • 1 監置の意義
      • 2 監置の法的性質等
      • 3 制裁の対象
      • 4 監置の手続
      • 5 監置の裁判の執行
      • 6 執行の場所
  • 第2章 刑法各論
    • 第1 公務の執行を妨害する罪〜公務執行妨害等
      • 1 総説
      • 2 公務執行妨害
      • 3 職務強要
    • 第2 逃走の罪
      • 1 総説
      • 2 単純逃走
      • 3 加重逃走
      • 4 被拘禁者奪取
      • 5 逃走援助
      • 6 看守者逃走援助
    • 第3 職権濫用等の罪
      • 1 総説
      • 2 公務員職権濫用
      • 3 特別公務員職権濫用
      • 4 特別公務員暴行陵虐
      • 5 特別公務員職権濫用致死傷等
    • 第4 賄賂の罪
      • 1 総説
      • 2 単純収賄
      • 3 受託収賄
      • 4 事前収賄
      • 5 第三者供賄
      • 6 加重収賄
      • 7 事後収賄
      • 8 あっせん収賄
      • 9 贈賄等(刑198)
      • 10 没収及び追徴
    • 第5 文書偽造の罪
      • 1 総説
      • 2 文書偽造の罪の一般的要件1 客体
      • 3 文書偽造の罪の一般的要件2 実行行為等
      • 4 詔書偽造
      • 5 有印公文書偽造等
      • 6 虚偽有印公文書作成等
      • 7 公正証書原本不実記載等
      • 8 偽造詔書行使等
      • 9 有印私文書偽造等
      • 10 虚偽診断書作成
      • 11 偽造有印私文書行使等
      • 12 私電磁的記録不正作出等(刑161の2)
    • 第6 傷害の罪
      • 1 総説
      • 2 傷害
      • 3 傷害致死
      • 4 現場助勢
      • 5 同時傷害の特例
      • 6 暴行
      • 7 凶器準備集合等
    • 第7 毀棄及び隠匿の罪
      • 1 総説
      • 2 公用文書等毀棄等
      • 3 私用文書等毀棄等
      • 4 器物損壊
      • 5 自己の物の損壊等
      • 6 信書隠匿
    • 第8 薬物犯罪
      • 1 総説
      • 2 薬物犯罪を規制する特別法の概要
      • 3 覚せい剤取締法違反の罰則
  • 第3章 刑事訴訟法
    • 第1 刑訴法の目的
      • 1 刑事手続における刑事施設の役割
      • 2 刑訴法の目的
    • 第2 刑事手続の流れ
      • 1 成人の刑事手続の流れ
      • 2 捜査段階
      • 3 公訴の提起
      • 4 公判段階
      • 5 上訴
      • 6 再審・非常上告
      • 7 少年の場合
    • 第3 捜査機関としての矯正職員
      • 1 捜査機関の種類
      • 2 司法警察職員
      • 3 検察官及び検察事務官
    • 第4 被疑者及び被告人の法的地位
      • 1 刑事施設における被疑者及び被告人の処遇
      • 2 黙秘権
      • 3 弁護人依頼権
      • 4 接見交通権
      • 5 第1回公判期日前の証拠保全の請求
    • 第5 捜査の端緒
      • 1 概説
      • 2 職務質問,所持品検査
      • 3 告訴,告発
    • 第6 任意捜査と強制捜査
      • 1 概説
      • 2 強制処分法定主義と令状主義
      • 3 任意処分と強制処分の区別
      • 4 任意同行,取調べ室への滞留と任意捜査の限界
      • 5 取調べと任意捜査の限界
      • 6 写真撮影等と任意捜査の限界
    • 第7 逮捕
      • 1 概説
      • 2 通常逮捕
      • 3 現行犯逮捕
      • 4 緊急逮捕
      • 5 逮捕後の手続
    • 第8 勾留
      • 1 概説
      • 2 勾留の手続
      • 3 逮捕前置主義
      • 4 勾留に対する不服申立て等
    • 第9 逮捕・勾留の諸問題
      • 1 事件単位の原則
      • 2 再逮捕・再勾留
      • 3 別件逮捕・別件勾留
      • 4 逮捕・勾留中における余罪取調べの限界
      • 5 公訴の提起後における被告人の取調べの可否
      • 6 弁護人又は弁護人となろうとする者以外の者との接見交通
    • 第10 捜索・差押え等
      • 1 概説
      • 2 捜索・差押え等の手続
      • 3 令状による捜索・差押え等
      • 4 令状によらない捜索・差押え等
    • 第11 鑑定
      • 1 鑑定留置状と鑑定処分許可状
      • 2 令状の請求と発付
    • 第12 公訴の提起
      • 1 概説
      • 2 捜査の終結
      • 3 公訴の提起
      • 4 訴訟条件
      • 5 即決裁判手続の申立て
      • 6 略式命令請求
    • 第13 公訴権の行使の適正を担保するための方策
      • 1 概説
      • 2 公訴の取消し等
      • 3 不当に公訴を提起しない処分を抑制するための方策
    • 第14 公判手続
      • 1 概説
      • 2 公判手続における諸原則
      • 3 第1回公判期日まで
      • 4 公判前整理手続
      • 5 第1回公判期日
      • 6 証拠調べ
      • 7 被害者等の意見陳述
      • 8 結審
      • 9 被害者参加
      • 10 判決の宣告
    • 第15 裁判員裁判
      • 1 意義
      • 2 合議体の構成
      • 3 対象事件
      • 4 裁判員の選任手続
      • 5 裁判員裁判の審理
      • 6 その他
    • 第16 上訴
      • 1 概説
      • 2 判決に対する上訴
      • 3 上訴に共通する事項
      • 4 控訴審
      • 5 上告審
    • 第17 判決の確定
      • 1 意義
      • 2 判決の確定時期
    • 第18 刑の執行
      • 1 意義
      • 2 刑の執行の指揮
      • 3 刑の執行及びその停止
      • 4 自由刑の刑期の計算
    • 第19 再審・非常上告
      • 1 概説
      • 2 再審
      • 3 非常上告
  • 第4章 その他関係法令
    • 第1 少年法
      • 1 少年法の目的と全件送致主義
      • 2 非行のある少年の家庭裁判所への送致までの流れ
      • 3 家庭裁判所における手続の流れ
      • 4 保護処分
      • 5 少年の刑事事件
    • 第2 更生保護法
      • 1 更生保護法の目的
      • 2 仮釈放
      • 3 少年院からの仮退院及び退院
      • 4 生活環境の調整
      • 5 更生緊急保護
    • 第3 恩赦法
      • 1 恩赦の概要
      • 2 大赦
      • 3 特赦
      • 4 減刑
      • 5 刑の執行の免除
      • 6 復権
      • 7 刑事施設に収容されている者の個別恩赦の手続
    • 第4 国際受刑者移送法
      • 1 制定の背景と目的
      • 2 受入移送と送出移送
      • 3 受刑者移送の要件
      • 4 受刑者移送の手続の流れ
      • 5 受刑者移送後の処遇
    • 第5 犯罪被害者等の刑事手続等への関与
      • 1 犯罪被害者等基本法における規定
      • 2 刑事手続における犯罪被害者等の権利利益の保護
      • 3 少年審判手続における犯罪被害者等への配慮
      • 4 被害者等への加害者の処遇状況等の通知及び刑事施設からの釈放等の通知
      • 5 刑事施設における被害者等に関する施策
      • 6 更生保護における被害者等に関する施策
    • 第6 行政作用に対する救済制度
      • 1 「行政救済」の意義
      • 2 行政上の不服申立て
      • 3 行政不服審査法
      • 4 行政事件訴訟
      • 5 国家賠償
    • 第7 PFI法,公共サービス改革法ほか
      • 1 刑事施設における民間委託の概要
      • 2 刑事施設における民間委託の変遷
      • 3 刑務所PFI事業
      • 4 PFI法
      • 5 構造改革特別区域法
      • 6 公共サービス改革法
    • 第8 情報公開法
      • 1 「情報公開」とは
      • 2 「情報公開」の分類
      • 3 「情報公開法」の位置付け
      • 4 情報公開法の基本的な考え方
      • 5 情報公開の対象等
      • 6 情報の開示
      • 7 開示の実施
      • 8 権限又は事務の委任
      • 9 不服申立手続

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