>> 東京法令トップページ >>消防・防災 >> まるごと1冊 ドア開放マニュアル
関連分野   消防・防災/警防  

まるごと1冊 ドア開放マニュアル

編著/監修
消防活動研究会 編著
体    裁
B5判  136ページ
本体価格+税
1,900円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-2417-7
C3030 \1900E
発 行 日
平成28年8月15日
内容見本を見る

お買い物かごに入れる

本書の特色

  • 今までになかった、ドア・シャッター・窓の開放の手引き。
  • 写真をふんだんに使い、様々な開放方法をオールカラーでわかりやすく紹介!訓練を行う際にはもちろん、「ぶっつけ本番」で現場に臨まなければいけない救助隊員・消防隊員にとって必ず役立つ1冊。
  • 切り方・壊し方だけでなく、開放についての法律知識やエンジンカッターの取扱要領等を一から紹介。さらに巻末には想定問題も掲載しており、技術向上間違いなし。

はじめに

またテレビニュースで火災の情報が流れる。

「今日未明に起きた火災で、焼け跡から遺体が発見されました。現在身元を調査中です…」一つの災害を伝え終えたアナウンサーは別の情報を読み始める。ここで詳細な消防活動が伝えられることはない。

ニュースで一瞬流れる映像に釘付けになる場面がある。玄関ドアだ。映し出されるドアを見て思う。なぜその場所を切る?明らかに切り損じた切断跡、力任せに開けようとしたドアの湾曲…ドアを開放するまで一体どれだけの時間を費やしたのだろう。助けられた命がそこにあったかもしれない。火災という惨事のどさくさに紛れ、ドアの開放要領の悪さまでは露呈されず、隊員の不作為の象徴ともいえる方法でこじ開けられたドアは、消防の失態とはならずに喧騒とした現場の風景の脇を飾るに留まっている。

ドアの開放について消防はどれだけの技術伝承を行ってきたのであろうか。あるいは、消防活動の一端でしかないドアの開放にどれだけ進展しようとしてきただろうか。

近年、住宅は生活環境改善のため、気密性を高めた構造により防音や断熱の性能も高くなっている。また、防犯面から多種多様な錠前によりセキュリティー性能を高めている。気密性が増したことに対して消防は、筒先や一方向戦術など、資機材や戦術の変化が図られている。しかし、堅固で高機能になりゆくドアに対しての着目はない。ドアを開放しなければ資機材や戦術があろうとも人命救助、消火活動は始まらないのだ。

そこで私たちは、活動のスタートとなるドア開放について、実際にドアを開放する訓練に長い時間をかけ、成功と失敗を積み重ねてきた。火災が進行性災害という特殊な事態であることを踏まえ、迅速かつ確実な活動をするべく技術を身に付け、一秒でも早くその開口部を作成し、次の活動につなげることを目的とした。そして、速さを求めるがゆえに失敗もしたが、開放に時間がかかるのでは本末転倒、速さだけではなく確実性も追求した。

迅速性を第一にする理由。それは、火災で助けを求めている要救助者には一刻の猶予もないからだ。一秒でも早く…もし一秒を軽んじるのであれば、それは火災対応について自分はできているという慢心、つまり火災が一秒でどれだけの燃焼が拡大し、要救助者と家財、そして我らを襲う驚異へと変貌するかを忘れているのだろう。進行性災害は、後手に回ることにより後からのしかかる活動の労力は全て自分持ちになることも忘れないでもらいたい。

施錠されたドアの先は非日常的な状況が待っている。そして反対側で待つ要救助者から見たドアは地獄からの生還を意味している。このドアの表裏で生と死の境が形成されている。私たちは火災現場におけるドア1枚の重み、つまり早くドアを開放するという重要性を受け止め、迅速かつ確実に開放できるようこの「まるごと1冊 ドア開放マニュアル」を作成した。

皆さんには、この本を基に実際にドアの開放を試みてもらいたい。開放要領は文字や写真では伝えきれない感覚的なものを多く含んでいる。切断について少しだけ触れよう。切断刃の回転に合わせ切断スピードを調整するのも意外に難しい。大概ドアの鉄板に切断刃が食い込み回転が止まってしまう。回転を止めないためにはエンジンカッターのエンジン音を聞き、伝わってくる振動を感じ、切断刃の回転を見るなど全神経を注ぎ、切断スピードを維持する必要がある。開放には切断動作以外にも臭いや熱、音など、複合的な要因全てを勘案した状態で取り組まないと一つ一つの動作が急ぎから焦りに変わり失敗の道をたどることになる。

「切断訓練をしようにもドアがない」と言い、待つことで誰かが訓練環境を与えてくれるものだと思ってはいないだろうか。本マニュアルには、建物の解体現場での交渉についても記載した。消防士は災害出場を待ち、その指令を受けてから出場するという仕事柄か、考え方が待ちのスタンスから始まるようになっている。消防士の第一義は人命救助だ。この目的を果たすために積極的に行動を起こそう。皆の手に国民の生命がかかっている。この使命を全うするために我々は待つのではなく今日も前に進み続けなければならない。災害は待ってはくれない。建物の解体現場があればとにかくアタックすべきであろう。

それでも実践できなければ、本マニュアルの出番だ。あなたに代わり私たちが積んできた経験を惜しみなく記載している。熟読しドアを開放するイメージを持ってもらいたい。主要な開口部となるドアは多岐にわたる開口法を紹介しているが、屋内進入にかかわる開口部はドアだけではない。建物の四方に存するシャッターや窓などの開け方も記載したので確認しておいてもらいたい。ドア開放への近道を導いているので何度も何度も失敗と成功をイメージしてほしい。そして、あなたがドア開放に直面したとき、その開放が消防人生で初めての活動になったとしても、このマニュアルの内容を自分のものにしていれば要救助者を生還させる可能性が高まるだろう。

人命救助、消火活動と全ての消防活動の障害となっている施錠されたドアに風穴を開け、死の境を切り拓くのは、あなたの腕にかかっている。

私たちは、この「まるごと1冊 ドア開放マニュアル」により、全国の消防士の知識、技術の向上が図られ、火災による要救助者の苦しみを一秒でも早く開放するための一助になることを期待する。

平成28年8月

消防活動研究会


目次

  • 第1章 序論
    •  
      • 1 消防活動について
      • 2 本書の活用方法
  • 第2章 基礎知識
    • 第1節 破壊に関する法律知識
      • 1 消防法第29条
      • 2 無窓階
      • 3 防火設備
    • 第2節 開放対象
      • 1 ドア
      • 2 シャッター
      • 3 水圧解錠・開放装置
    • 第3節 資機材取扱要領
      • 1 エンジンカッター
      • 2 バール
      • 3 ハンマー
    • 第4節 現場交渉術
      • 1 現場交渉術
  • 第3章 ドアの開放
    • 第1節 ドアの開放
      • 1 3辺カット(三角カット)
      • 2 2辺カット
      • 3 四角カット
      • ◎ 「探る」動作のポイント
      • 4 絶対開口
      • 5 デッドボルトカット
      • 6 蝶番カット
      • 7 木製ドア突き刺し
      • 8 デッドボルト戻し
      • 9 鍵箱もぎ取り・合い口こじり
      • 10 煙返し外し
      • 11 打ち切り開放
      • 12 蹴破り開放
    • 第2節 補助錠の破壊
      • 1 ドアチェーン切り①
      • 2 ドアチェーン切り②
  • 第4章 シャッターの開放
    •  
      • 1 1辺カット・2辺カット
      • 2 スラット抜き
      • 3 中柱打撃
  • 第5章 窓の開放
    •  
      • 1 面格子・窓手すり破壊
      • 2 クレセント錠解錠
  • 第6章 想定問題

関連商品
CSRMベーシックガイド
全国救護活動研究会 著
B5判(DVD付き) 112ページ(カラー56ページ)
本体価格+税1,900円+税
実戦NBC災害消防活動
編集 全国消防長会
編集協力 東京消防庁
B5判
256ページ
本体価格+税2,500円+税
Fire Fighter's Support Book
警防技術研究会 編集
ポケット(145×80mm)判
ダブルリング製本

84ページ
本体価格+税2,100円+税
救助訓練マニュアル
消防教育訓練研究会 菊地 勝也 編著
B5判
224ページ
本体価格+税2,200円+税
消防訓練マニュアル
消防教育訓練研究会 菊地勝也 編著
B5判
256ページ
本体価格+税2,300円+税