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刑事法の要点

編著/監修
前田 雅英 著
体    裁
A5  136ページ
本体価格+税
1,080円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-1374-4
C3032 \1080E
発 行 日
平成29年10月20日
内容現在
平成29年9月20日
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本書の特長

130頁で関連判例とともに刑事法理論を概観!


現在の刑事法が、どのような考えのもとに成り立っているのか、社会情勢の変遷や判例の考え方の変化を踏まえて解説。


  • 刑事法理論の全体像を概観できる!
    刑事法の考え方の根本を知ることで、刑法・刑事訴訟法の理解が進みます。
  • 最新の重要判例まで、関連判例を多数収録!
    判例の考え方を知ることで、実務上の解釈がよく分かります。
  • 理解が深まる図やコラムが満載!
    ひと目で要点が分かる図や、基礎から+αの知識まで身につくコラムが充実しています。

※本書は、平成26年2月発行の『ハンドブック刑事法―罪と罰の現在―』を、最新の内容、より見やすいレイアウトに改めて発行するものです。


はしがき

本書は、警察官をはじめとする、日本の刑事司法実務に携わられる方々に、「現在の刑事法」の全体像を理解していただくためのものである。平成26年2月に『ハンドブック刑事法』(東京法令出版)を刊行したが、法改正や判例の変化を踏まえ、大きく書き改めた。全体の構成も変えたので書名を新しくした。ただ、ねらいや基本的な考え方は、変更していない。

「専門家に対する講義案」という意味では、もっと詳しい情報を盛り込んだ方が良いが、「全体」を俯瞰した上で、現実の問題を擬律していただくことがなにより大事だと考え、「筋が分かりやすいこと」「短時間で読み切れるもの」「現在の動きを反映したもの」を重視して執筆した。

個々の知識をいかに増やしても、全体の中でいかなる意味を持つのかを知らなければ、力にはなり得ない。その知識の「実」がどの「枝」になっていて、「根」といかに繋がっているかを知ることが大切である。別の言い方をすれば「流れ」を理解してほしいのである。

古い知識は、無駄であるというより、害悪になることに注意してほしい。学ぶべき「法」も判例も、動いているのである。そして、ここ10年来、学説・理論が急激に重視されなくなり、現実にいかなる問題が起こり、実務がいかに対処しているかを知ることの重要性が強調されるようになった。そのような、実務の対処は、「正しい学説」が先にあって、それに従った結果であるとは、必ずしもいえなくなった。

そもそも、現在の状況を踏まえなければ、法の解釈は不可能である。刑法・刑事訴訟法が改正されたということ以上に、法というものについての「考え方」が動いてきていることを知ってほしい。最近では、裁判員裁判の定着もあり、刑事法の考え方の地盤はじわじわと動いている。その意味でも、判例の重要性が増している。

本書は、一通り刑事法を勉強し、さらには、実務でその運用に携わっておられる方にも「全体像」を俯瞰していただくためには有用だと考えている。

また、大学生や高校生等も含め、より多くの刑事法に関心のある皆様に読んでいただき、警察活動をはじめ、検察、裁判、弁護の活動の意味を知り、日々生起する刑事事件の処理についても、マスコミやそれに登場するいわゆる評論家の意見を鵜呑みにすることなく、自分の頭で判断して、評価できるようにしていただければと、密かに期待している。

2017年9月

前田 雅英


目次

  • Ⅰ 刑事法の特徴
    • 1 刑事法解釈
    • 2 日本の刑事法
    • 3 社会状況の変化と刑事法解釈
      • (1) 日本の治安の良さ
      • (2) 戦後の前半期はなぜ治安が良かったか?
      • (3) 日本の刑務所があふれ出した
      • (4) 治安悪化の原因 外国人犯罪と少年犯罪
      • (5) ここ15年で全国一律に「犯罪の半減」に成功した
    • 4 刑事法理論の変化
      • (1) 社会の変化が戦後の刑事法理論を変えた
      • (2) 社会の安定と被害者の重視の開始
      •    児童虐待・ストーカー・DV
      • (3) 治安の改善と刑事法解釈の変化
      • (4) 比例原則
      • (5) 今後の展望
      • (6) 「理論」は実務が作る
  • Ⅱ 刑法理論
    • 1 犯罪と刑罰の考え方
      • (1) 犯罪の定義
      • (2) 刑罰と犯罪
      • (3) 日本の刑事法の特徴
    • 2 刑罰の考え方
      • (1) 応報刑論と目的刑論
      • (2) 応報刑と道義的責任論
      • (3) 目的刑と社会的責任論
      • (4) 現代日本の刑罰理論
      • (5) 応報刑と目的刑の関係
      • (6) 死刑について
    • 3 戦後の犯罪状況と刑法理論
      • (1) 戦後の刑事法理論の特徴
      • (2) 行為無価値論と結果無価値論の対立の意味
      • (3) 法と道徳と価値判断
      • (4) 1980年代からの刑法解釈 実質的犯罪論
    • 4 客観的構成要件の理解
      • (1) 「構成要件に該当して、違法で、有責な行為」
      • (2) 条文解釈の意味
      • (3) 日本人の常識と解釈
      • (4) 構成要件の基本構造
      • (5) 実行行為の重要性
      • (6) 不作為と実行行為
      • (7) 未遂  実行行為の開始
      • (8) 着手時期についての具体的判断
      • (9) 不能犯
      • (10) 中止犯
      • (11) 因果関係論
    • 5 故意と過失
      • (1) 故意とは何か
      • (2) 未必の故意
      • (3) 錯誤の意義
      • (4) 事実の錯誤と国民の常識
      • (5) 過失
    • 6 正当化事由・責任阻却事由
      • (1) 構成要件に該当するのに許される場合
      • (2) 正当行為・業務行為
      • (3) 日本の正当防衛の特徴
      • (4) 急迫不正の侵害に対する防衛行為
      • (5) やむことを得ない行為
      • (6) 緊急避難
      • (7) 期待可能性
      • (8) 責任能力
    • 7 共犯論
      • (1) 日本の共犯の実像
      • (2) 共犯と間接正犯
      • (3) 共同正犯
      • (4) 共謀共同正犯
      • (5) 共同正犯の因果性
      • (6) 犯罪理論体系の意味と役割
    • 8 刑法各論の重要論点
      • (1) 社会の複雑化と財産犯の本質論
      • (2) 詐欺罪処罰の拡大
      • (3) 財産犯の客体の拡大
      • (4) インターネット犯罪
  • Ⅲ 刑事訴訟法理論
    • 1 刑事手続の現状
      • (1) 犯罪の認知と送致
      • (2) 簡易送致と不起訴
      • (3) 捜査の端緒
      • (4) 送検と起訴
    • 2 日本の刑事訴訟の考え方の基礎
      • (1) 欧米法制の採用と日本の独自性
      • (2) 当事者主義と職権主義
      • (3) 捜査の構造論
      • (4) 捜査現場における実質的対立点
      • (5) 社会の変化と刑事訴訟法解釈の変化
      • (6) 最近の犯罪の減少と新しい捜査手法
    • 3 捜査の適法性
      • (1) 任意捜査と強制捜査
      • (2) 強制捜査(処分)の具体的基準
      • (3) プライバシー侵害と強制処分と立法
      • (4) 任意捜査の許容範囲と限界
      • (5) 職務質問と実力行使の可否
      • (6) 所持品検査
      • (7) 自動車検問
    • 4 逮捕・勾留と捜索・差押え
      • (1) 被疑者の逮捕・勾留
      • (2) 逮捕者の取調べとその制限
      • (3) 捜索・差押え、検証
    • 5 公判廷での審理
      • (1) 起訴状一本主義
      • (2) 裁判員制度
      • (3) 裁判の開始
      • (4) 証拠調べ
    • 6 証拠法
      • (1) 裁判における証明
      • (2) 証拠能力と厳格な証明
      • (3) 挙証責任と「疑わしきは被告人の利益に」
      • (4) 証拠の種類
      • (5) 供述証拠と伝聞法則の例外
      • (6) 違法収集証拠排除
      • (7) 自白の意義
      • (8) 自白法則
      • (9) 自白の証明力と補強証拠
  • 事項索引

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