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3訂版

わかりやすい 少年警察活動

編著/監修
少年非行問題研究会 編
体    裁
A5判  248ページ
本体価格+税
1,800円+税
 ISBN
ISBN978-4-8090-1350-8
C3036 \1800E
発 行 日
平成28年9月15日
3訂版発行
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本書の特色

少年警察活動の入門書として最適の1冊

  • 非行少年の発見・保護から少年事件の捜査、少年の立ち直り支援と非行防止まで、少年警察活動のエッセンスを凝縮
  • 事件と対策が複雑に絡み合う少年事案につき、その背景と関連法令を踏まえて、一つひとつの活動の意義や事案ごとの対策を具体的に解説
  • イラストを織り交ぜ、「わかりやすい」筆致で読みやすさも重視

3訂版の発刊にあたって

前回の改訂から7年余が経過し、少年の非行や犯罪被害をめぐる状況も変化しつつある。

少年非行の状況をみると、刑法犯少年の検挙人員は年々減少しているが、全体に占める割合は高くないものの振り込め詐欺の検挙人員が増加したり、検挙人員に占める再犯者の割合が年々高くなったりしており、社会の耳目を集める凶悪な犯罪も依然として発生しているところである。

また、少年の犯罪被害の状況については、深夜に街中をはいかいしていて凶悪事件の被害に遭ったり、コミュニティサイトを利用していて児童ポルノや児童買春の被害に遭ったりするなど、大変憂慮すべきところである。児童虐待事案も年々増加している。

こういったことから、今後も引き続き少年の非行や犯罪被害の防止に向けた活動を積極的に進めなければならない。

本書は、そのタイトルのとおり少年警察の入門書として活用されているとのことを踏まえ、今回の改訂においても、当初の編集方針どおり、少年警察活動のエッセンスをできるだけ分かりやすくまとめたつもりである。

今回の改訂を機にさらに多くの警察職員に活用いただくことで、第一線の少年警察活動の一助となり、さらには我が国の将来を担う少年たちの健全な育成に少しでも寄与できれば幸いである。

平成28年7月

少年非行問題研究会一同


発刊のことば

近年、刑法犯認知件数は戦後最悪の水準で推移しており、とりわけ国民が身近に不安を感じている街頭犯罪が深刻化するなど、我が国の治安の悪化は誠に憂慮すべき状況にある。しかも、その中で少年犯罪は、刑法犯の約3分の1、街頭犯罪の約3分の2を占めるに至っており、まさに、「少年犯罪抑止は治安回復の鍵」であると言っても過言ではない現状にある。

このように、治安事象全体に占める少年事案の割合が高いことから、少年事案は、生活安全課の少年係だけでなく、地域課、刑事課、交通課等警察の各部門で日常的にこれを取扱うところとなっている。

したがって、少年警察活動については、多くの警察官がこれを熟知しなければならないのであるが、少年法をはじめとした少年関係法令に定められた規定は大変分かりづらい。しかも、現行の警察教養の体系においては、必ずしも十分な時間が少年関係法令の理解、少年事案取扱い上の留意事項のために割けない実情にある。

卒業配置したばかりの新任警察官も、あるいは、これまで生活安全部門に関わりを持てなかった新任の警察署長も、着任のその日から成人の取扱いとは全く異なる少年事案に取り組まなければならない。まして、新たに少年係・少年事件担当に命名された職員は複雑な手続を要する少年事案を責任を持って処理していかなければならないのである。

本書は、このような新任少年係員を主な対象と考えているが、そのほか、少年警察活動にまだ造けいの深くない方々にも少年警察活動の意義を広く知ってもらうために作成したものである。そのため、これまでの各種狆年事案処理の手引書瓩箸楼曚覆辰心囘世ら「少年警察活動の要点」を記した。

少年事案処理要領というより、少年警察活動そのものを理解してもらうための入門書であることから、必ずしも少年警察活動全般を網羅してはいない。また、最後まで通読してもらうことを一つの目的としていることから、できるだけ分かりやすい表現を用いており、中には、法律的には正確とはいえない文言を用いている部分もある。本書作成の趣旨にかんがみ、これらの点はご容赦いただきたい。

本書が、少年警察部門に進まれる方等の座右に置かれ、少年の健全育成、ひいては、我が国の将来のために少しでも役に立つことができることを願ってやまない。

平成16年12月

少年非行問題研究会一同


目次

  • 第1 少年事案の取扱いは大人と何が違うのか
    • 少年事案の取扱いを甘く考えるな!
      • 1 少年問題の重要性
      • 2 少年事案取扱いの難しさ
    • 少年警察活動の基本
      • 1 健全育成の精神の理解が少年警察の第一歩
      • 2 少年の特性をよく理解すること
      • 3 処遇の個別化とはどういう意味か
      • 4 秘密の保持に留意
      • 5 少年警察には国際的動向への配慮も不可欠だ
    • 少年の定義あれこれ
      • 1 そもそも「少年」とは?
      • 2 家裁の調査・審判の対象となる少年
      • 3 少年警察活動規則で定義付けている少年等
  • 第2 非行少年・要保護少年の早期発見
    • 不良行為少年の補導
      • 1 不良行為少年の補導の意義
      • 2 少年補導票を作成する場合とは
      • 3 不良行為の「代表」〜喫煙・深夜はいかい
      • 4 犯罪にはならないが……
      • 5 公営競技場とは競馬場等のことだ
    • 街頭補導
      • 1 非行防止に効果の大きい街頭補導
      • 2 街頭補導実施上の留意事項
      • 3 地域警察官による街頭補導
    • 少年相談
      • 1 少年相談の目的は
      • 2 交番で受理した場合はどうするのか
      • 3 相談者の意見や希望を尊重しよう
      • 4 相談の解決のために情報を十分に収集する
      • 5 関係機関への引継ぎには十分注意しよう
    • 家出少年の発見保護
      • 1 家出少年の発見保護はなぜ大切か
      • 2 家出少年はどこに?
      • 3 家出少年を発見保護するために
      • 4 民間や地域の協力が不可欠
      • 5 家出少年保護措置上の留意事項
    • 福祉犯被害少年の発見保護
      • 1 福祉犯の被害少年を発見するには
      • 2 福祉犯の被害少年保護に当たっての留意事項
    • 児童虐待の被害児童の発見保護
      • 1 潜在化しがちな児童虐待
      • 2 児童虐待を見逃すな!
      • 3 早期発見のために
    • いじめ問題への的確な対応
      • 1 学校におけるいじめ問題への対応
      • 2 学校の対応を尊重するも、必要な対応はとるべき
      • 3 早期把握が重要
      • 4 把握したいじめ事案への的確な対応
    • 校内暴力事件の早期把握
      • 1 校内暴力事件には前兆あり
      • 2 校内暴力事件とは?
      • 3 学校等との緊密な連携が重要
      • 4 継続補導の必要性を見極めよう
  • 第3 少年事件の捜査
    • 少年事件の年齢区分
      • 1 20歳〜成人か少年か
      • 2 18歳〜児童福祉法が適用されるか否か
      • 3 16歳〜原則逆送になるか否か
      • 4 14歳〜罪を問われるかどうか
      • 5 年齢を確認するときは、ここに注意!
    • 少年事件手続の特殊性
      • 1 全件送致主義とは何か
      • 2 家裁直送事件とは何か
    • 呼出し
      • 1 少年を呼び出す際に心掛けること
      • 2 こんな呼出しは原則禁止!
    • 取調べ
      • 1 必ず立会人を置かなければならないか
      • 2 取調べ上の留意事項
    • 逮 捕
      • 1 逮捕するかどうかの判断で注意すること
      • 2 中学生を逮捕するのは慎重に
      • 3 施設収容中の少年は逮捕できるのか
      • 4 成人と同じように再逮捕できるのか
    • 留 置
      • 1 留置要否の判断
      • 2 少年を留置する場合に気を付けること
    • 少年の指紋採取等
      • 1 どういう場合に指紋採取等ができるのか
      • 2 身柄不拘束の少年被疑者からの指紋採取等に当たっての留意事項
    • 少年事件の送致
      • 1 罰金刑以下の事件の告訴を受けた場合は?
      • 2 一人で罰金刑以下の犯罪と禁錮刑以上の犯罪の二罪を犯していたら?
      • 3 共犯で罰金刑以下の犯罪を犯し、一方の少年に禁錮刑以上の犯罪の余罪がある場合は?
      • 4 少年と成人との共犯事件の場合は?
      • 5 被害者の告訴のない親告罪の事件
    • 簡易送致
      • 1 簡易送致は簡易書式とも微罪処分とも違う!
      • 2 形式的要件のみで安易に簡易送致するな
      • 3 簡易送致の趣旨を理解し、大いに活用すべし
    • 措置の選別と処遇意見
      • 1 少年事件選別主任者制度とは何か
      • 2 措置区分の選別はなぜ重要か
      • 3 処遇意見〜原案を作るのは担当警察官の役割
    • 少年の勾留
      • 1 少年の勾留は厳しく制限されている
      • 2 勾留に代わる観護の措置とは何か
      • 3 「やむを得ない場合」とは何か
    • 非行なし事案をなくすために
      • 1 「非行なし」は突然やってくる
      • 2 少年審判の特質も十分理解しよう
      • 3 非行なし事案の典型
      • 4 非行なしを防止するために配意すること
    • 長期未処理事件をなくすために
      • 1 長期未処理事件とは何か
      • 2 事件を長期間未処理にすると……
      • 3 長期未処理は不適正事案に発展する
  • 第4 触法事件の処理要領
    • 触法少年の取扱い
      • 1 触法少年による事件は捜査でなく調査だ
      • 2 触法調査でできること
      • 3 共犯に犯罪少年がいたら捜査ができる
      • 4 触法少年と知らずに逮捕してしまったら
    • 触法少年の送致・通告の判断
      • 1 触法事件も送致する
      • 2 送致しない場合は、通告を検討
      • 3 一時保護とは何か〜警察の判断ではできない
    • 触法事件の処理要領等
      • 1 作成すべき書類
      • 2 証拠物はどうするべきか
      • 3 送致・通告後の触法少年
  • 第5 ぐ犯事件の処理要領
    • ぐ犯少年の保護制度
      • 1 「ぐ犯少年」とは?
      • 2 「ぐ犯事由」とは?
      • 3 「ぐ犯性」とは?
    • ぐ犯少年の取扱い
      • 1 法的根拠
      • 2 年齢によって通告・送致先が異なる
      • 3 身柄の取扱いはどうするか
      • 4 少年等の所持物件の措置
  • 第6 送致後の少年の処遇
    • 家庭裁判所における処理
      • 1 審判を開始するかどうかを決める調査
      • 2 少年鑑別所送致〜保護処分ではない!
      • 3 逆送〜事件を検察官へ送り返すことがある
      • 4 児童相談所長へ送致する場合
      • 5 審判はどのように行われるか
      • 6 試験観察
    • 保護処分の実際
      • 1 保護観察
      • 2 施設への送致
      • 3 少年院への送致
  • 第7 少年の立ち直り支援と少年非行防止
    • 非行少年を生まない社会づくり
      • 1 少年に手を差し伸べる立ち直り支援
      • 2 少年を見守る社会気運の醸成
    • 継続補導による立ち直り支援
      • 1 継続補導とは?
      • 2 立ち直り支援の重要性
      • 3 少年に手を差し伸べる立ち直り支援活動との違い
    • 少年サポートセンター
      • 1 少年サポートセンターとは
      • 2 サポートセンターによる継続補導
      • 3 事件担当からの引継ぎの重要性
    • 集団的不良交友関係の解消に向けた対策
      • 1 再非行防止のための集団的不良交友関係対策
      • 2 居場所づくりによる非行集団からの離脱対策
      • 3 非行集団への加入阻止対策
    • 少年の社会参加活動
      • 1 社会参加活動の重要性
      • 2 よい子だけの社会参加活動にとどまるな
      • 3 各種スポーツ活動も社会参加活動のひとつ
    • 情報発信
      • 1 情報発信はなぜ必要なのか
      • 2 何を情報発信するのか
    • 薬物乱用防止教室、非行防止教室
      • 1 学校へ積極的に出向くことの重要性
      • 2 できるだけ多くの学校で薬物乱用防止教室を!
      • 3 薬物乱用防止広報車を積極的に利用しよう
      • 4 「薬物は有害・危険」だけではダメだ!
      • 5 組織犯罪対策(薬物対策)部門との連携を密にすること
      • 6 入手方法等に関する情報は慎重に扱おう
      • 7 非行防止教室も活用しよう
  • 第8 少年の福祉を害する犯罪の取締り
    • 福祉犯の取締り
      • 1 福祉犯って何?
      • 2 福祉犯の種類
      • 3 被害少年の保護が究極の目的
      • 4 摘発が難しい福祉犯
      • 5 有害環境の浄化にも目を向けよう
    • 児童買春事犯の捜査
      • 1 児童に金が渡らなくても児童買春
      • 2 男子児童も買春の被害者たり得る
      • 3 対償の供与(約束)は事前に必要
      • 4 児童であることの認識が必要
    • 児童ポルノ事犯の捜査
      • 1 児童ポルノの定義
      • 2 児童ポルノの態様
      • 3 視覚により認識できることが必要
      • 4 「わいせつ」でなくても児童ポルノ
    • 児童福祉法違反事件の捜査
      • 1 児童福祉法の目的
      • 2 使用者には年齢知情は必要ない
      • 3 児童に淫行をさせる行為
      • 4 有害目的で児童を支配下に置く行為
    • 青少年保護育成条例(淫行の禁止)違反事件の捜査
      • 1 青少年保護育成条例の制定状況
      • 2 淫行の禁止
      • 3 「淫行」とは?
  • 第9 少年の保護対策
    • 少年を取り巻く社会環境の問題
      • 1 ネット上の有害情報の問題
      • 2 少年の性を売り物にする新たな形態の営業に関する問題
      • 3 酒類やたばこの問題
      • 4 有害図書類の問題
    • 出会い系サイト対策
      • 1 「出会い系サイト規制法」とは
      • 2 事業者・保護者等の責務〜児童の利用防止
      • 3 利用者に対する規制〜児童に係る誘引の禁止
      • 4 インターネット異性紹介事業者の規制
      • 5 民間活動の促進
    • 児童虐待
      • 1 児童虐待とは
      • 2 児童虐待に対する警察の取組
  • 参考資料
    • 少年事件簡易送致書作成例
    • 触法事件送致書類作成例
    • 触法事件通告書類作成例
    • ぐ犯事件送致書類作成例(家庭裁判所送致事件)

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