月刊警察2009.9月号
ここ数か月、何だか空が賑やかでした。夜空に大輪を咲かせる花火。世界の奇蹟を感じさせる皆既日食。そして夕立後、夕暮れ時の絶妙なタイミングで現れた鮮やかな虹。「この世は夢のようなもの。ならば暗く歩むより、明るく進みたい」とは偉大なる先人の言葉だったと思います。大空に彩られた神秘なドラマの数々は、夢の世を前向きに生きるための天からの贈り物のように思えてなりませんでした。
また、最近空だけでなく人の心にも感動を覚えました。「グレープフルーツ」という言葉からメロディーが生まれ、歌が出来上がっていく情景をまのあたりにしたのです。何の変哲もない言葉の中から旋律を生じさせた、その作曲家に驚いたのはもちろんですが、本来、誰の心の中でも音楽が奏でられているのだと直感的に感じました。その心の中の音楽を上手に取り出せる人が音楽家になるのでしょう。これもまた夢のような話ですね。
「夢」。何だか懐かしい言葉になったような気がします。「現実」と「夢」のはざまで格闘しながら、着実に一歩ずつ進んでいくところに、「バーチャル」ではない、慕わしい「ドリーム」があるのだと感じます。
本誌の編集もまた、「現実」と「夢」との中でもがきながら、確かな「夢・ドリーム」を読者に届けられるよう日々の前進あるのみです。毎号、鮮やかな虹が読者の心に架かることを祈ります。
(Nぽん)