月刊警察2010.1月号

■食品偽装防止検定
食品偽装を見抜くための知識を問う検定試験。S級と1〜3級の4段階に分かれ,「野菜ソムリエ」検定試験を手掛ける日本ベジタブル&フルーツマイスター協会が2009年10月から開始した。3級は主に一般消費者を対象とし,偽装問題の起こりやすい背景,偽装商品を買わないための知識などを問う。2級以上は食品・流通業界関係者の受験を想定。2級では過去にあった偽装の手口などを見抜く能力,1級は新手の偽装手口の発見能力,S級は食品偽装防止分野でコンサルタントできる能力などの有無が問われる。試験は筆記と面接によって行う。

■血液パスポート制度
運動選手の血液データを長期的に蓄積することにより,ドーピング行為で引き起こされる血液中の赤血球などの変化や異常値の発見を容易にするプログラム。国際オリンピック委員会(IOC)と国際陸連が合同で実施し,「血液サンプルの搬送や保存に関する課題が解決され次第,スタートさせる」とIOCのジャック・ロゲ会長は述べている。持久力を高める効果のあるエリスロポエチン(EPO)の使用や自分の血液を用いた血液ドーピングなどの摘発に有効で,世界反ドーピング機関(WADA)も本格導入する見通しである。

■カリフォルニア渇水銀行
アメリカ・カリフォルニア州が水不足を防ぐために考案したシステム。渇水状態になると州政府が水の利用に余裕のある需要家から水を買い取り,ニーズに応じた値を付けて販売する。これにより州北部の農家は休作や取水源を地下水にするなどして融通可能な水を捻出,水不足に悩む南部地域へ州の導水路で運搬した。州は北部の農家から1,000?当たり100ドルで購入,南部地域に140ドルで販売。90年代から実施されているが,エコロジーの見地から近年注目されている。

■クレベリンゲル
置くだけで空気中の病原菌を除去する除菌消臭剤。水道水やプールの殺菌に使われている二酸化塩素を気体化させ,室内に存在するウイルスや細菌,カビなどを除菌する。二酸化塩素ガスの空気中濃度を一定に保つ技術を開発した大幸薬品株式会社が,150gを定価2,100円(税込み)で商品化。手軽に購入することができ,その効果も,10畳前後の部屋で約2か月間有効であるという。もともと医療機関向けの薬剤だったが,新型インフルエンザの流行に伴い,一般に販売された。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)