月刊警察2010.3月号
今,私の部署では,朝礼時,所属員による“1分間スピーチ”を実施している最中です。いつも執筆依頼ばかりをしているこの身,人に頼むことは楽ですが,自分でやってみると,文章を書くのと同様,一定の制約の中で分かりやすく,かつ,正確に思いを伝えるということの難しさを,肌で感じているところです。
スピーチは毎日一人ずつ,内容はその人の自由。趣味の話あり,日々の雑感あり,実演あり,各人各様も一興です。
その中で,私が特に気に入ったスピーチがありました。要約すれば,「良いプレーをするためには,正しい構えが大切」といったところでしょうか。これは,何もスポーツに限った話ではなく,普段は意識していないことかもしれませんが,体にも心にも,すべての行いに通じる「構え」の意識だと感じ入りました。
車の運転姿勢然り。普段からの服装・あいさつ,人前で話すときの態度や声も然り。「立派な人は,(年を重ねても)背筋が伸びていて姿勢がいい」とは,私の伯父の口癖ですが,これにも頷けます。
きちんとした制服・制帽に身を包み,凛として前を見据える警察官の姿──。庁舎の入口で,街の交番で,立番の横を通り過ぎる時,私はいつも,頼もしさ,そして清々しさを与えていただいています。「人は見かけによらぬもの」とはいいますが,「形から入る」,「見た目が大事」というのもまた,真理でしょう。
(S)