月刊警察2010.5月号
小誌の連載で,今,「職務質問」に関連した内容を取り上げています。これらの記事や取材を通じて,素人の私が申し上げる僭越さをお許しいただいた上,職務質問のあり方について考えてみました。
職務質問は,犯罪捜査・未然防止の基本です。これを端緒として犯罪が発覚し,容疑者逮捕に結び付いたケースが多いことは,統計的にも明らかです。法的な解釈や判例は連載記事をお読みのとおりですが,まさに人間を相手にする仕事,現場では様々な場面に遭遇し,対応に苦慮されることもあるでしょう。
しかも最近は,職務質問を拒否する市民も多く,また,そのための方法めいたものが出回っているとも聞きます。もちろん私は,こうした仕事柄警察官とは近いところにありますし,いざ自分の身に危険が迫ったとき,困ったときにはすぐ頼りにさせていただく存在ですので,瓜田に履を納れず,また,普段からの協力は惜しまないつもりでおります。ただし現実は,協力的な人ばかりだとは限りません。そこで,犯罪抑止へ向けた市民の理解を得るために必要とされるものが,権限の裏付けとなる“信頼感と好感度”ではないでしょうか。
希望にあふれる入校生の方も,新しい職場に異動された方も,その環境に慣れてきたころでしょう。小誌もバックアップさせていただきますので,自信をもった執行務を願ってやみません。
(S)