月刊警察2010.11月号
小誌でも3回にわたって特集を組ませていただいた,本年日本警察の最大の課題,APECもいよいよ本番,閣僚会議・首脳会議を迎えます。この期間はまさに,“日本警察が世界から注目される1週間”となることでしょう。
警察庁の「2010年APEC警備対策委員会事務局」には何度か足を運ぶ機会がありましたが,大きな地図が掲げられ,警備実施の司令塔として,日々緊張感の高まりと完遂へ向けた気概が感じられました。重点警備対象エリアでは,新たに自動車爆弾等を瞬時に発見できる“新兵器”も導入されるとのこと。警備に携わる皆様も,それぞれの立場で思いを一つにして,任務を全うされるものと拝察します。
折しも,中国漁船衝突事件の処理や,障害者団体向け割引郵便制度悪用事件に絡む証拠改ざんに対して,検察への不信感が高まっているのは大変残念です。ここはぜひ,「第一次的捜査機関」(刑訴法189条2項)として,日本警察の優秀さと底力を発揮し,全世界に向けてアピールしていただきたいと思います。心から,警備の成功をお祈りいたします。
危機管理や警備実施の現場では,“大きく構えて小さくまとめる”が要諦であることを知りました。私も,ここぞという場面や本番で慌てぬよう,日ごろから緊張感をもって備えを固めていきたいところではありますが,誘惑や惰性に打ち克つのは,容易ではないようです。
(S)