月刊警察2010.12月号

■社内英語公用語化
会社内での報告や会議,資料などに使用する言語をすべて英語にするプロジェクト。海外展開を進める企業が相次いで導入を打ち出し,話題を呼んでいる。
インターネットサービス大手の楽天(株)は,2012年をめどに日常業務における英語の使用を義務付ける計画だ。これにより日本人社員同士も英語で会話し,社内の電子メールなども英文となる。管理職になるには,英語の能力を測る学力テスト「TOEIC」で990点満点中650点以上取ることが必須。同社の三木谷浩史社長は,今年の中間決算の発表を英語で行っており,取締役会の議論や全社員が出席する朝会などの幹部訓示も英語で行われている。
「ユニクロ」を展開するカジュアル衣料大手の(株)ファーストリテイリングも,2012年3月から会議や資料に英語を使うことを決めた。海外事業を拡大するための一環として,社員の英語研修などを積極的に行い,海外における売上高を現在の14%から,5年後は50%にまで拡大する計画。

■クロスカップリング
自然界から得られない有用な化学物質を作り出すため,2種類の有機化合物を,自らは変化しない触媒を使って炭素同士で結合させる方法。電気的にプラスとマイナスの部分が引き合う現象を利用し,希少金属パラジウムなどを触媒として作用させると,炭素とそれ以外の物質との結合が切れ,炭素同士が結びつく。そこから触媒を取り除くことで,医薬品や農薬,エレクトロニクス材料などの原料となる様々な化合物を合成できる。
アメリカ・パデュー大学の根岸英一特別教授は,亜鉛化合物やアルミニウム化合物を使うことで反応を安定させ,合成できる物質の種類を増やした。また,北海道大学の鈴木章名誉教授は,毒性が少ないホウ素化合物を材料として応用範囲を拡大。その功績に対し今年度のノーベル化学賞が贈られた。

■タブレットパソコン
液晶ディスプレイなどの表示部分にタッチパネルを搭載し,ペンや指で操作する小型の多機能型情報端末のこと。2010年にアメリカ・アップル社が発売した「iPad」が新たな市場を広げたことや,電子書籍の本格的な流通が始まるとリーダー機の需要が見込めること,デジタル教科書への布石等で注目されている。
国内では同社とソニー(株),(株)東芝,パナソニック(株)など端末メーカー21社が提携する形で,各社が新製品を開発,発売するという。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)