月刊警察2011.1月号

■4時間の壁
交通手段を選択する際,一般に,移動時間が4時間以内なら鉄道を選び,4時間を超えると航空機を選ぶ傾向が強まるという。そこで鉄道業界では,所要時間を4時間以下に短縮することが命題となっている。
東京―広島間の所要時間は新幹線のぞみで4時間以内のため鉄道利用者が優勢だが,東京―博多間では約5時間かかるため,航空機利用者が圧倒的に多くなる。
今年春に全線開業する九州新幹線の場合,新大阪―鹿児島中央間の所要時間が約4時間となる見込みで,どこまで乗客数が伸びるかが話題となった。スピード化を進めるJRは,同区間を3時間45分で結ぶ「みずほ」を追加する案を打ち出している。

■デジタル資産相続サービス
デジタル資産とは,電子メールやインターネット上に保存した文書,日記,写真のほか,ブログへの書込みなども含まれる。これらの管理には利用者名とパスワードが必要だが,こうしたログイン情報を知るのは,ほぼ本人のみで,本人が急死した場合は,アクセス不可能となる。
そこでアメリカでは,本人が死亡後,指定していた人にログイン情報を伝えるサービスが登場した。
「Legacy Locker」は個人情報を保管できるオンライン上の貸金庫と位置付けられ,メールアドレスや共有サイトなどオンラインサービスのアカウント情報を保管。本人の死後,それらを通知する「受取人」と,死亡確認の「証明者」二人以上を指定する。死亡確認には死亡証明書の写しが必要で,確認後にあらかじめ用意されていた遺言メールが指定した相手に自動送信されるサービスもあるという。利用料は1年更新型が約$30,終身型が約$300。

■「みんなの廃校」プロジェクト
文部科学省では昨年9月からホームページ上に全国の廃校舎の施設情報を配信している。校舎の活用法を募集する自治体の物件を随時掲載し,建物の構造や面積,立地環境,貸与・譲渡の条件などを表示。改修時に利用可能な補助金制度や,再利用された産直品製造工場,芸術活動・展示会場,宿泊施設などの実例も紹介している。
2002年度以降,少子化や市町村合併などで廃校となった3,671校のうち再利用されたのは2,295校。1,015校は使われず,うち794校は利用計画も立っていない。文科省の調査によると,廃校舎が放置される理由の多くは「活用法が分からない」,「利用希望がない」など。しかし,空き校舎の利用を望む企業や団体からの問合せも多いことから開設に至った。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)