月刊警察2011.9月号
先日,警視庁の警察学校を訪れました。凛とした空気の中,緊張感あふれる掛け声が響き,機敏な動作が光ります。初めてその「現場」を目の当たりにし,将来の治安の担い手としての頼もしさを肌で感じました。また,厳しい師弟関係の一端にも触れ,短い時間でしたが,気力,体力,そして相応の強い意志がなければ務まらないと認識するには,十分な経験となりました。
帰りがけにふと,私の学生時代,就職活動に向けて各方面のOBが大学に体験談を語りにきたときの印象的な場面が脳裏に浮かびました。「同期でも,ついていけずに何人かが(学校を)やめていきました。でも私は,少なくとも自分で選んだ道だから,『この仕事に就いて良かったな』と思える瞬間が来るまでは,絶対にやめません」――それは女性警察官となった先輩による,私に職業観,初心の大切さを意識させた,一言の重みでした。
復興という大きな目標に向かい,日本人の絆,一体感が必要とされている今,警察官に対する期待もまた,ますます高まっていると感じます。そうした私たち市民の信頼に応える誇りと使命感に感謝し,改めてエールを送りたいと思います。
私も,刺激的な現場の空気に触れたことで,初心に返ることができました。改めて,小誌が皆様にとって頼れる良きパートナーであり続けることが使命であると肝に銘じ,精進を重ねます。
(S)