月刊警察2012.1月号

■塾立小学校
進学・受験塾が設立した学校法人による私立小学校。塾で培った中学受験のノウハウを掲げ,塾に行かなくても有名校に合格できる教育を売りにしている。
愛知,岐阜両県に約40の受験塾を展開する愛知県名古屋市の進学塾「名進研」は,2012年度に「名進研小学校」を開校予定。1学年の定員は90人で,1年生から6時間授業を行う。全員が中学受験することを想定し,塾のテキストも副教材として活用。
6年間の総授業数(45分授業)は公立校の5,645コマに対し,約7,000コマ。能などの伝統文化体験や,新聞などを通じてものの考え方を育てる科目も盛り込まれている。児童にとっては放課後の塾通いをしなくて済むという利点もあるようだ。

■震災倒産
2011年3月の東日本大震災による直接の被害を受けていないにもかかわらず,取引先の被災や消費者の買控えの影響で倒産に追い込まれることを指す。
東北,北関東の宿泊施設から観光情報雑誌に広告を取り次いでいた都内の広告会社は,震災後数か月後に倒産。広告費用は通常,掲載誌の出版後に支払われるため,震災後に被災地からの広告代金回収ができなくなったためだという。
東京商工リサーチによると,2011年11月までに震災倒産と思われるものは全国で400件以上あり,そのうち351件は東北6県以外(東京都91件,北海道33件,岩手23件,大阪府22件,福島県20件,愛知18件ほか)で発生している。全体の件数は阪神大震災の同時期と比べ約4倍。業種では宿泊,飲食を含むサービス業や製造,卸売,建設,小売などが多く,取引先の被災による仕入れや受注難,資材不足による納品の遅れ,旅行や消費の自粛といった間接的な影響が目立つ。

■放射能除去商法
東京電力福島第一原子力発電所の事故で放射性物質が飛散したことへの不安につけ込み,放射性物質を除去するなどと銘打った架空の商品を勧め高齢者や主婦などをだます商法。「この事故で核シェルター製造会社の株が高騰する見込みだから,その社債購入の斡旋をしてやる」,「放射性物質であるセシウムを除去できるエアコンを購入しないか」,「内部被ばくした体内から放射能を除去し発がん性を低下させる錠剤を購入できる」など,ありもしない口実で金をだまし取る。こうした手口に乗らないよう,国民生活センターでは警告を促している。

(本誌「MONTHLY KEY WORD」より抜粋)