入島料

「縄文杉」で知られる屋久島には，海岸から山間部までの標高差が大きいため，亜熱帯から亜寒帯までの気象状況の中，独特な生態系が存在する。

1993年に世界遺産に登録されて以来，観光客が急増。縄文杉見学の登山客は2010年に約９万人と10年間でおよそ３倍になり，ゴミの増加や登山道の劣化などが自然環境への悪影響を招いた。また，山小屋のトイレから里地にし尿を搬出しているが，これが毎年2,000万円以上かかり，町財政の負担となった。

昨年には日高十七郎・前町長が観光客の人数制限条例案を町議会に提出したが，観光業者らの反対で否決。今年に入り荒木耕治・現町長が，島を訪れる観光客から環境保全の目的で入島料を徴収する方針を表明。

徴収方法や金額，対象者，収入金の使途などを検討会議で討議し，今年度中に方針をまとめる予定だ。

生活保護問題

生活保護とは憲法第25条の理念に基づき，生活が困窮する国民に対し最低限度の生活を保障，自立を助長するため保護費を支給する制度。

しかし，社会の高齢化や不況などの影響で受給者数が増加し続け，今年２月には209万人を超えるまでになり，これが国や地方の財政を圧迫することとなっている。

５月末にはお笑いタレントの河本準一さんが，実の母親の生活保護受給に関して記者会見で謝罪，受給費の一部を返還する意向を示した。親族の扶養義務が叫ばれる中，小宮山洋子厚生労働大臣は，扶養できないという親族に説明責任を課す方向で生活保護法の改正を検討していることを明らかにした。

生活保護の不正受給が横行する一方で，申請を拒否された困窮者が餓死する事件なども相次ぎ，制度の抜本的な見直しを求める議論も浮上している。

ムービー面接

レコード会社大手(株)ソニー・ミュージックエンタテインメントが2013年の新卒採用に導入した入社試験の新形式。従来のエントリーシート提出でなく，スマートフォンなどで自分を撮影した動画データで応募する。同社の専用サイトで面接官が画面上で質問する動画が配信されており，応募者はこれを基に疑似面接の様子を撮影する。服装などは自由だという。

同社によると採用枠数十人に対し，毎年数千人の応募があるため，まず書類選考で約半数に絞ってきた。しかし，書類では熱意や自己表現などが伝わりにくいため，動画からそれらを読み取りたいとの意向だ。