月刊警察 2013年 6月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

銃規制法案

銃の購入や使用等の規制を強化する法案。アメリカ合衆国では,昨年12月にコネティカット州ニュータウンの小学校で起きた銃乱射事件を契機に,法案に銃購入者の犯罪歴調査の義務付けや,殺傷力の高い銃の販売禁止等が新たに盛り込まれた。

世論調査では,国民のおよそ9割が新法案を支持していたにもかかわらず,全米ライフル協会等が強く反発。この4月には,上院で賛成46,反対54と,可決に必要な60に届かず否決される結果となった。法案否決を受けバラク・オバマ大統領は,「恥ずべき日」だと非難した。


日台漁業協定

尖閣諸島周辺海域の漁業権について,日本と台湾との間で今年4月に調印・締結された取決め。尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域に共同管理水域を設け,該当水域内での台湾漁船の操業を認める内容だ。

北緯27度以南,先島諸島以北が共同管理水域とされ,日台ともに自由に漁を行うことができる。特に好漁場とされる一部の水域は「特別協力水域」とされ,違法操業を行う漁船等は取締りの対象となるが,相手国の操業は最大限尊重される。

台湾もまた,尖閣諸島の領有権を主張しているため,日台は尖閣諸島をめぐって対立関係にあるが,同協定は尖閣諸島とその周辺12海里の水域を協定の適用対象から除き,領有権問題を棚上げする形で妥結された。周辺12海里に侵入した台湾漁船は,これまでどおり摘発対象となり,日本漁船も操業できない。

日台間で漁業協定を結ぶための交渉は1996年に始まったが,領有権をめぐる対立等により締結には至らず,2009年に中断。しかし昨年,日本が尖閣諸島を国有化したことを契機に協議が再開され,締結に至った。

日台は正式な国交をもたないため,国家間の協定ではなく,日本側の公益財団法人交流協会と,台湾側の亜東関係協会を主体とする民間の取決めという形となっている。調印が行われた会合には,外務省,水産庁,海上保安庁関係者も出席した。


新型インフルエンザ等対策特別措置法

新型インフルエンザの流行が危惧される場合に,その対策を規定した特別措置法。急速な蔓延を防ぎ,感染者に対する医療体制の強化や整備を進めることを目的とする。

毒性や感染力の強い新型インフルエンザに対しては,内閣総理大臣を長とする対策本部を設置して緊急事態の宣言が可能。また,地方自治体は,不特定多数の人が集まる施設の使用禁止・制限や,個人に対し外出を控えるよう要求することができる。