月刊警察 2013年 8月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

ソーシャルリスニング

TwitterやFacebook等のソーシャルメディア上で,ユーザーが日常的に書き込んでいる会話や行動のデータを収集し,特定の企業やブランド,商品への評価を分析するマーケティングの手法。一般消費者のリアルな反応を無制限に知ることができるため,製品やサービスの開発・改善,トレンドの把握や予測に役立つ。

欧米では多くの企業が既に活用し,国内でも導入する企業が増えつつある。流通業界では,ソーシャルメディア上のデータにPOS等他のデータを組み合わせ,よりきめ細かいマーケティングを実施している。

こうしたなか,株式会社電通マーケティングインサイトは,ソーシャルリスニングの分析ツールを企業向けに提供するサービスを開始した。


ダークツーリズム

戦争被害,自然災害による悲惨な体験や人類の負の遺産等を対象にした観光。一般的に観光とは,娯楽性の高いレジャーの一つだが,ダークツーリズムは,学びや反省の機会として被害者や復興を援助するきっかけになればという考え方を基にする。

対象地として,スコットランドのカローデン古戦場,ルーマニアのブラン城,日本の広島平和記念公園,ウクライナのチェルノブイリ,ニューヨークのグラウンドゼロ,ポーランドのアウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所,中国の南京大虐殺紀念館,カンボジアのトゥール・スレン虐殺博物館,ルワンダのムランビ虐殺記念館等がある。このほか,現在,原発事故があった福島第一原発を観光地化する取組も議論されている。

しかし一方では,ダークツーリズムを訪問者の感情的な反応を利用した利益追求の一形態だとして批判する声もある。当該地において,心の傷が癒えていない人々がいる場合には,更に注意を要する。ダークツーリズム研究所所長の中央ランカシャー大学フィリップ・ストーン博士は,「ダークツーリズムは社会の不道徳の具現化であり,だからこそ,逆に道徳が理解される」と述べている。


調査捕鯨

現在,日本では国際捕鯨委員会(IWC)の管理下で,クジラの生息数や生態等について科学的調査を行うため,調査捕鯨を行っている。調査では,捕獲した個体の耳垢栓や卵巣を採取し,調査後に,使用した個体の肉等を副産物として市場に流通させていることが多い。

反捕鯨の立場をとるオーストラリアは,これを商業捕鯨とみなし,本年6月,日本の調査捕鯨が国際法に違反するとして国際司法裁判所に提訴した。