月刊警察 2014年 2月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

共謀罪

ある特定の犯罪を行うため,具体的・現実的に合意することで成立する犯罪。実際に行動を起こさなくても,共謀段階で検挙・処罰が可能となる。アメリカやイギリス等では制定されているが,日本の刑法では規定されていない。

2000年に国連が採択した国際組織犯罪防止条約の締結には国内法の整備が必要であるとして,2003年から3回にわたり国会に関連法案が提出されたが,いずれも廃案に終わった。

しかし昨年12月,政府は組織的犯罪処罰法の処罰対象に実行行為が必須とされないよう改正する検討を開始,事実上の共謀罪新設に向けて動き出した。その理由として,2020年の東京オリンピックに向け,テロ対策の必要性が高まっていることなどが挙げられている。

共謀罪が新設された場合,国家による監視が強化され,国民の権利が侵害されるのではという懸念もあり,日本弁護士連合会等は改正案に反対の立場を表明している。


分限免職

職務遂行に支障がある公務員等に対し下される免職処分。公務員の免職処分は,懲戒免職と分限免職に大別され,前者は公務員として不適切な行為を行った者を罰するものだが,後者は当事者の心身の故障等のために公務の遂行,運用維持が困難と判断された場合に言い渡される。また,分限処分には,免職のほかにも降任,降給といった処分がある(国家公務員法75条,地方公務員法27条等)。

昨年10月,香川県で生徒及び同僚の教員への暴言,研修受講拒否,3か月の病気休暇取得等の不適切行為を行っていた女性教員が分限免職となった。


マーズワン

火星移住計画を進めるオランダの非営利団体及び同団体が推進する火星移住計画の名称。計画では,まず通信衛星を火星に送り,無人探査機を火星地表に着陸させて必要物資の輸送を行った後,2024年に男女4人の移住者を乗せた宇宙船を打ち上げ,翌年,火星に到着。地球に帰還する予定はないという。

昨年,第一次火星移住希望者の公募が行われ,140か国から20万人以上が申し込んだ。候補者選定には,インターネット上の投票結果も反映される。

マーズワンによると,火星移住計画には約60億ドルの予算が必要で,クラウドファンディングによって資金を募っているほか,テレビ局等からも資金援助を受けている。火星着陸機の開発は,ロッキード・マーティン社が行う。