月刊警察 2016年 4月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

マイナス金利

金融機関に預金することで発生する負の金利のこと。例えば,金利が-0.1%であれば,1,000万円の預金が1年後には999万円となる。景気が低迷している際の金融政策として行われ,一般的には中央銀行が民間金融機関に対して実施。金融機関は預金を眠らせて目減りさせるより企業や個人に貸し出す傾向が強まるため,経済活性化や景気回復が期待される。

過去にはデンマークやスイス,スウェーデンなどで実施され,日本では今年2月,日本銀行がマイナス金利政策を導入。金融機関が日本銀行に持つ当座預金のうち任意で預けている額に対し,金利を0.1%,0%,-0.1%と3段階に分けて実施した。

普通預金金利はマイナスではないものの,三菱東京UFJ,みずほ,三井住友の大手3行などが過去最低水準の0.001%に引き下げ,かんぽ生命でも保険契約者への配当金利をこれまでの0.07%から0.01%に下げるとしている。

こうしたなか,一般消費者の間では“たんす預金”のための家庭用金庫を購入する人や,百貨店や大手旅行代理店が企画する商品購入用の年間積立プランを利用する人が急増しているという。一方,貸出金利も下落しているため,住宅ローン負債者には借り換えで返済額が減る可能性もあるようだ。

停波

電波送信所及び送信機が電波の送出を停止することを指し,テレビ・ラジオ放送局や通信事業者の送信機の一時的あるいは永続的な機能停止を意味する。一時的かつ計画的に放送を停止する場合は「放送休止」として区別される。

今年2月の衆議院予算委員会において,民主党議員の質問に対し,高市早苗総務大臣が,政治的公平性を欠く放送が繰り返された場合,放送法第4条違反を理由に電波法第76条に基づいて,放送局に停波を命じる可能性があることに言及した。

これに対し,細野豪志民主党政策調査会長が「放送法第4条の濫用」と批判。また,報道関係者らが「言論の自由を保障する憲法と放送法第1条の精神に反している」と抗議を行い,放送局内での自主規制や萎縮につながるとして警鐘を鳴らした。

テレビ・ラジオ局の報道番組によっては特定の政治的立場に立脚した報道姿勢が見られることもあり,「偏向報道」,「報道の自由」,あるいは「言論弾圧」をめぐって議論となることが少なからずある。

マスメディアにおいて停波が言及される場合,放送局が法令の規定逸脱などを理由に無線局の免許を取り消される懸念があるとされる。