月刊警察 2017年 3月号 MONTHLY KEYWORDS
月刊警察

プレミアムフライデー

毎月末の金曜日に就業時間を早めに切り上げることで,労働時間の縮減・是正や経済活動の振興を促そうとするキャンペーン。経済産業省や経団連が中心となり各企業へ導入を呼び掛ける形で,今年2月24日から実施される。

経済産業省の委託事業として株歯堂が開設したプレミアムフライデー推進協議会事務局の公式サイトには,その活用例として金曜夕方から週末を利用する「2.5日旅」や平日の「午後ブラショッピング」,夕方から贅沢な食事に出掛ける「アーリーディナー」などが紹介されている。

同事務局が提供するロゴマークを申請した企業・団体数は,今年1月26日の時点で908件。賛同企業にはアサヒビールやTBSテレビ,ファミリーマートなどの大手企業のほか,旅行会社やレジャー関連企業が多く名を連ねるが,国内の企業総数の0.03%にも満たない。

プレミアムフライデーに対しTwitter上に寄せられた意見には,「仕事量は変わらないため,しわ寄せが生じることが目に見えている」,「サービス業やシフト制の従事者には無関係」など否定的なものも多く,中小企業における導入の可否など,推進していくには課題も多い。

デフレマインド

長期にわたるデフレーションにより社会に浸透し定着してしまった考え方や心理状態,消費傾向などを指す言葉。特にデフレーションを脱却しつつある状況において改善すべき課題とされ,近年しばしば言及される。

デフレマインドの典型例としては,不況によって引き起こされた将来への不安から,余分な出費を減らした上,必需品も安価なものを選び,現金の多くを貯蓄に回すといったサイクルが挙げられる。

デフレ経済の下で安い商品が求められると,企業側も人件費や設備投資を削減して価格を下げながら,収益を留保し現金の積み上げを行うという負のスパイラルが固定化してしまう。一旦定着すると,景気が回復の兆しを見せても,なかなか氷解しないのも特徴だ。

所得から消費へのスムーズな循環を促すことが命題となるが,ある百貨店は,「アベノミクスで富裕層の購買は押し上がったものの,中間層の消費は横ばい」として,金融政策の限界を指摘。デフレマインドからの脱却には,超高齢社会が抱える“老後への不安”を緩和する社会保障政策との連携が不可欠という声も聞かれる。